kanto-004 「山岳巡礼」のトップへ戻る 関東百山・関東百名山一覧表へ戻る
登頂年月 1992.05.30 | 天候 霧雨 | 同行者 単独行 | マイカー利用 | 3等三角点 | |||
白戸集落(4.50)−−−林道終点(5.30)−−−木の鳥居(6.32)−−−日留賀岳(7.30-8.00)−−−木の鳥居(8.30)−−−林道終点(9.10)−−−白戸集落(9.45) | |||||||
男鹿岳は日本三百名山に名を連ねながら、登山案内に関する資料はほとんどない。 塩原方面から、白戸集落最奥の農家近くに自動車を止めて出発したが、男鹿岳までを日帰りするのはかなりハードなコースである。所要時間はざっと12〜3時間を予定していた。 農家の前庭を通り、裏へ回ると登山道があった。しっかりした道で安心して歩ける。15分ほど歩き、工事中の送電塔のところで林道に出る。20分ばかりこの林道歩きがつづく。林道といっても崩落した岩石がいたるところに散乱して、四駆なら何とか走れるという状態で荒れている。林道終点で再び山道に入る。 落葉高木の中を比較的勾配の緩い登りをたどる。新緑が気持ちいい。 山腹を絡んでいた道が尾根道に変わると、いよいよ急登となってきた。ブナが目につく。野鳥の囀り賑やかだ。 登山道をまたいでいる木の鳥居をくぐり、さらに高度が上がると、樹林には乳白色の霧が漂ようようになる。雨の降り出しが案じられる。 よく手入れされていた登山道も、最後の急登にかかるころから笹がかぶり、手で掻き分けるようにして歩かなければならない。笹の露に雨具を着用する。樹木もまばらになって、明るく開けた感じになると山頂の近いことを感じる。 真新しい石祠の据えられた山頂は、霧雨模様でガスが去来し眺望はゼロ。ここまで4時間のコースタイムを2時間40分と快調なペース。しかしゆっくりしていることはできない。ここまでは序の口、これからが本日のメインである。 男鹿岳へは登山道のないところを藪を分けて、ルートファインデイ ングしながら進まなければならない。かすかに踏み分けの跡が認められる潅木と笹の中へ入った。赤布をつけながら強引に下り斜面を分け進む。笹が密で歩いた形跡をまったく見つけることができなくなった。右、左と進むものの、前進はきわめて困難。地図を広げてもガスで視界がきかず進むべき方向も判然としない。 計画では1時間弱の薮こぎで塩那道路に出さえすれば、あとは男鹿岳まで何とかなると思っていたが、そうは問屋がおろさなかった。 動きがとれなくなり、いっペん山頂まで戻って、もう一度やり直して見る。 結果は同じだった。 この天候条件で薮こぎをしようとするのが 所詮無理という結論に達し、次回を期して今日は潔く退却することにした。 下山して、居合わせた農家の人に、日留賀岳から男鹿岳へは無理なのか尋ねると「雪のあるときに、大学生のパーティーが歩くことはたまにある」ということだった。 |