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関東百山・関東百名山 
奥久慈男体山=なんたいさん(654m月居山(400m)
登頂年月 1995.11.11 天候 快晴 単独 マイカー 一等三角点
東京(2.10)===袋田の滝駐車場(5.00-5.15)−−−袋田駅(5.45-6.00)〓〓電車〓〓西金駅(6.09)−−−湯沢温泉(6.25)−−−大円地登山口(7.05)−−−(健脚コース)−−−滝倉分岐(7.30)−−−男体山(8.00-8.10)−−−第二展望台(9.25)−−−第一展望台(9.33)−−−月居山(9.53)−−−袋田の滝見物−−−袋田の滝駐車場(10.45)

マイカーと電車を組み合わせていいプランが出来上がった。

下山予定地の袋田の滝駐車場へマイカーを置く。駐車場から歩いてJR水郡線の袋田駅へ。水戸行きの電車に乗車。二つ目の西金駅下車。ここから男体山〜袋田の滝をめざすことにした。

自宅を深夜2時に出発。袋田の滝に一番近い駐車場まで行って自動車を止める。まだ夜は明けず真っ暗だ。
暗い道を袋田駅まで歩いて30分。無人駅で15分ほど待ち6時発水戸行き電車に乗車。車内には高校生の姿がちらほら見えるのみ。 西金駅着6時9分、下車は私1人だけ。

駅前の男体山道標に導かれて、今朝方自動車で通った国道を横切り、舗装道路を爪先上がりに行く。このコースが男体山表登山道である。駅から15分ほどで湯沢温泉がある。要所々々には道標があって迷うことはない。
山間に点在する小集落の民家からは、みそ汁の匂いが流れて来る。
谷を挟んだ向かいに、険しい岩山のひと連なりが見える。男体山らしい。さらに山間深く入って行くと、男体山への道は左手へと下っている。
蛇行する道を下って行くと、5〜6軒の小さな集落があった。人影は見えないが、大円地という集落のようだ。ここが最奥の集落で、「男体山登山口」の立派な道標が立っていた。
2分ほど行くと、右大円地越、左健脚コースの表示があった。ためらうことなく健脚コースをとる。薄暗い植林の中をぐんぐん高度を上げて行く。と言っても標高わずか654メートルの山、登る高度はしれている。  

急坂を登り、尾根状の背に着いたところが滝倉との分岐。水平気味に少し行くと、今度は涸れた沢状の道となる。ふと気づくと道形が怪しい。知らぬ間に登山道は沢を離れていたのに気付かなかった。戻るのも面倒だし、そのまま沢を登ることにする。
登山口付近から仰ぎ見た岩山の険しさをふと思い出す。のっぴきならない岩場にでも直面したらどうしようと案じながら、足場の悪い急崖を攀じ登ったところで下を振り向くと、ロープがないともう下るのは難しそうだ。ここまで来たら上を目指すしかない。さらに沢は狭く険しくなってきたのを見て、ここがふんぎり場と思い右手急斜面の薮へ入る。潅木へつかまらないと危なくて動きがとれない。薮の隙間を縫うように少しづつ登って行くが、頂上まではまだかなりありそうだ。

流れる汗を拭いながら『ちょっと失敗だったかな』と反省気分になってきたころ、うまい具合に予定コースの登山道へ出会うことができた。
ロープの固定された岩場を何カ所か通過して行くと、休憩舎の立つ男体山の肩だった。北向きの肩は陰気で寒々としている。道標を見て休まず右手へ登って行くと、3〜4分で男体山頂上だった。

既に先着者があった。一等三角点は樹林の中、展望はないが山頂隅の石祠のところが展望台になっていた。眺める山はいずれも丘同様で高度感がない。
長居をする気にもなれずに早々と山頂を後に、袋田の滝へと向かった。
先程の肩の休憩舎まで戻り、紅葉が見ごろの尾根を伝って行く。ピクニック気分の尾根歩きと甘く見ていたが、これがなかなか歩きでがある。月居山までいくつ凹凸を繰り返したことだろう。標高こそたいしたことはないが、これはもう立派なハイキングコースである。高低差の累計はかなりのものになる。ミズナラ、コナラ、ウリハダカエデやブナ等の紅葉の美しさが、展望のない尾根歩きを飽きさせなかった。
ときおり袋田方面からのハイカーに出会う。
第二展望台までは予定の半分の時間だった。さらに第一展望台を過ぎ、月居山のピークに立つと遠く会津方面と思われる冠雪の山がうかがえた。吾妻連峰だろうか。

月居峠まで来ると、ここは滝見物客の遊歩道となっていて、たちまち観光客の群れの中へ埋没してしまった。
長い石段を登り、そして下って行くと木の間越しに袋田の滝が眼下に見えてきた。しかし滝というものは上から見ても、いっこうに見栄えがしない。やはり下から見上げるものであるようだ。
さらに下って展望所から見上げる滝は、さすが日本三名瀑の貰録だった。季節的に水量の少ないのが惜しいが、4段になって落ちる様はみごとだ。

土産物屋が軒を連ねる通りは、観光客でごった返し、駐車場へ入れない自動車が長蛇の列をなしていた。
湯沢温泉で一浴してから家路についた。


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