kanto-009 「山岳巡礼」のトップへ戻る 関東百山・関東百名山一覧表へ戻る
登頂年月 1996.02.17 | 天候 小雪 | 単独 | マイカー | 3等三角点 | |||
橋場バス停登山口(8.10)−−−粥仁田峠(8.55)−−−大霧山(9.30-9.45)−−−粥仁田峠(10.05)−−−橋場バス停(10.45) | |||||||
寒さに凍えたさびしい峠の風情を感じてみたくて、降雪予報の中を出かけた。 東秩父村橋場バス停から粥仁田峠への道路沿い、山裾にへばりつくような民家の点在する風景は、陽があたっていれば、きっとのどかな山村風景に映ることだろう。 杉林のかたわらに小さな石仏がある。苔蒸したその仏さんは、かわいそうに少し欠け落ちて、長い年月を感じさせる。 途中鋪装道路をショートカットして登りついた粥仁田峠は、小雪が舞い、秩父側から冷たい風が通り過ぎている。その昔、秩父への巡礼者たちが越えて行ったという峠は、今は舗装道路に変わり、往時の面影を探すことはできない。標柱にその存在を知るのみであった。 秩父路へと下って行く道を見送り、ここから山道へ入って大霧山への潅木の道をたどる。薄く雪を敷いた細道は、タヌキのものらしい足跡がつづいている。 ひとしきり寒風に吹かれ、新しい足跡を残しながら登って行くと、 見晴らしのいい大霧山の山頂に着いた。 小雪の煙る風景が広がっている。丘陵のような穏やかな山並みが重なり合う。煙ったあの先が秩父の里だろうか。スケッチ1枚と写真を撮ってから同じ道を戻った。 小雪の中の小さなハイキングだった。 |