kanto-064    「山岳巡礼」のトップへ戻る  関東百山・関東百名山一覧表へ戻る

関東百山 蕨 山=わらびやま(1044m)    
2004.02.20 天候 快晴 単独 マイカー 三角点なし
名郷バス停から林道を少し入った地点(6.10)−−−尾根上(6.40)−−−蕨山(7.35-7.40)−−−尾根上(8.15)−−−名郷(8.35)===妙法ケ岳へ向かう

関東百山、関東百名山を主に、埼玉県へ2日間の予定で出かけた。候補7座は
埼玉県北西部にかたまっているような気がしたが、それぞれ車での移動に
けっこう時間がかかった。7座全部を登るのは無理かと思ったが、
結局全部登ることができた。

≪笠山・堂平山・大持山・武川岳・蕨山・妙法ケ岳・父不見山≫

蕨山山頂

マイカーの中で、ときどき目覚めては星空を仰いで朝を迎えた。
朝一番にこの蕨山、次いで妙法ケ岳、さらに父不見山の3座を一日で登頂したい。明るくなるのを待って出発した。

名郷から橋を渡って林道に入る。かなり荒れた林道だが、10分ほどで終点になる。広い駐車スペースもあるが、ここまでマイカーで入ったとしても10分ほど得をするだけだ。
丸太の橋で流れを渡ると沢沿いの山道なる。夜の明けたばかりの杉植林の中は薄暗くて陰鬱だ。
早朝の目覚めぬ体には勾配がことさらきつく感じる。沢を離れて斜面を屈曲しながら高度を上げて行くと、背中の空が赤く染まってきた。朝日が届くころ尾根上に出た。

尾根を左に向かうと雑木林に変わる。明るさに充ちて気持ちもようやく山になじんできた。姿は見えないが、野鳥の鳴き声も樹間を透き通っていく。
尾根道の勾配はかなりきつい。1000メートルそこそこの里山を登っているという感じではない。そう言えば、まだ独身のころに職場の人たちとこの山を登ったことがある。コースは同じ名郷からだったように思うが記憶がない。
登山道に雪が見えてきたがアイゼンを必要とするぼどてはなく、うまくよけて歩けばどうということはない。「岩場」という表示から岩っぽくなってきた。ところどころ木や岩角にしがみついて登る個所もある。普通の里山とは一味違うコースだ。
岩のピークに登りつく。もう山頂かと思ったが、これからがけっこう長かった。この登りは北向きの尾根、雪の凍結個所も多くなってきた。滑らないように気を使って高度を稼いでいく。
登り勾配は相変わらず急だ。少し緩んでもまた急登に変わるという繰り返しがつづく。このあとの2座登頂を考えて、早めのピッチは緩めない。額からは途切れることなく汗が流れ落ちているが、明るい雑木の道に気分の方は快適だ。

長かった急登がようやく終ると、小広い平坦地となってほっとする。鳥首峠との分岐になっていた。ここがいちばん高そうに見えたが、小さく下って軽く登り返したところが蕨山の山頂だった。
快晴の好天ながら関東平野は霧の底に沈んでいる。北方に武甲山、大持山、武川岳など、南方には奥多摩の大岳山や川苔山などが見える。遠くの山は春霞のベールで判然とせず、遥かに雲かと見まがうような雪嶺の連なりが望めるだけだった。

一息入れる間もなく同じ道を名郷へと引き返した。


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