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関東百山 仙人ケ岳=せんにんがけた(663m)
登頂年月 2005.01.27 天候 晴れ 単独 マイカー 仙人ケ岳三等三角点
猪子峠(9..25)−−−深高山との分岐(9.35)−−−岩のピーク(10.00)−−−犬帰り(10.35)−−−山火事跡の上、道標地点(11.10)−−−岩切コース分岐(11.20)−−−仙人ケ岳(11.35-11.50)−−−岩切コース分岐(12.05)−−−山火事上部の道標(12.15)−−−犬帰り(12.45)−−−休憩5分−−−猪子峠(13.55)

標高数百メートルの低山と侮れない中級山岳並の楽しさを与えてくれる山で、歩き甲斐もあった。
高さ10mほどの垂直の岩場


鳴神山につづいて本日の2座目は『軽く仙人ケ岳を』と・・・ところがとんだ勘違いだった。

標高差はわずか400mほど、ネットで見たHPには山頂まで4時間を要したようになっている。「さまか」、何かの間違いと思い、これは参考にならないと無視してしまった。
私の足なら1時間でもお釣りがきそうだ。

さて車で猪子峠へ到着。登山口はどこにあるのか、おりよく深高山から降りてきた人に教えてもらうことができた。


218号線で猪子トンネルの東側に出ると、右への1本の車道が右折する。その分岐が広くなっていて駐車スペースとして十分に使える。右折した道を2、3分歩くと「深高山」の道標があるのでここから山道へ入る。5分ほどで急登を終り、しばらく進むと深高山・仙人ケ岳の分岐となる。
右手が仙人ケ岳への尾根、植林の中を抜けると明るいナラ林の道に変る。1時間程度で山頂という思いこみは変らない。
一つ二つとコブを越えて行く。意外に上り下りが多いコースだなあ・・・なんて思いながら足を運ぶ。三つ目あたりの大きなコブを越えると、コースの尾根筋には露岩が多くなって岩稜気分になってきた。この山は岩山なんだと認識する。右手に松田湖が見下ろせる。

1時間という想定時間が近づいてきた。もう山頂が近いはず、目を前方のピークに向けて、あれが山頂に違いない・・・、そんな期待感が大きくなってきた。ところがピークには何の表示もない。
さらにまた裏切られて、今度は大きな岩場に突き当たった。時間的にももう絶対あの上が仙人ケ岳だ、そう決めて垂直に近い岩場を鎖に助けられて登りきる。ところがまたちがった。何回も上り下りを繰り返しているうちに、どれだけ標高を稼いでいるかわからなくなっている。

岩場を越えた先が「犬帰り」、私の予備知識の中にはそんな名前は入っていない。すでに1時間10分も歩いている。もしかして仙人ケ岳を通り過ぎたのではないか、引き返してみようかなんて思い始める。
犬帰りから30分ほど進むと、山火事跡のピークがある。ここで始めて道標が立っていて、山頂はまだこの先でにあることを知った。
どうしてこんなに時間がかかるのか理解できないまま、気をとりなおして先へ進む。
ときには岩稜を、また雑木の気持ちいい道を、まだかまだかと思いつつ「どうして標高差400メートルでこんなに時間がかかるのだろうか」答えの見つからない謎解きをしながら足を運んだ。

道標から10分ほどで岩切からのコースが合流、立派な道標も立っていて、山頂まで20分とある。ということは私の考えていた時間の倍以上かかるということだ。ふとHPで見た「4時間」を思い出した。あながちいいかげんな時間ではなかったのだ。

最後の20分を15分で歩いてようやく待望の山頂へ登り着いた。所要は2時間10分だった。標高差1000メートルの山を登れる時間だ。
思いこみのせいとは言え、こんなに山頂が待ち遠しい山も久方ぶりのことだった。
樹木が邪魔で展望はないが、わずかに赤城、皇海、袈裟丸、男体山などが樹間から垣間見られた。山頂は冬枯れのコナラ樹林に囲まれて落ちついた雰囲気の漂う広々とした空間だった。三角点標石は損傷が激しくて等級も確認できない。

この山は岩切コースからの方が楽だったのだろうか。
帰りもまた同じ尾根道を上り下りを繰り返しながら戻ったが、所要2時間5分、登りと大差なかった。

往復4時間半、ごく普通のハイキング行程にもかかわらず、予想の倍の時間を要したために、下山したときには『ずいぶん歩いたなあ』という気分だった。

低山にしては、岩稜、アップダウン、岩場など変化も多く、歩きでもあって中級山岳に等しい楽しさが味わえる山です。
数百メートル以下の低山で、名山を上げるとすればこの『仙人ケ岳』や三重の岩山『錫杖ケ岳(676m)』が頭に浮かびます。


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