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関東百名山 天上山=てんし゜ょうさん(574m)
登頂年月 2005.04.17 天候 晴れ 単独 東海汽船 天上山二等三角点
黒島登山口(10.50)−−−10合目(11.22)−−−千代ノ池−−−裏砂漠(11.45)−−−展望地−−−不動池−−−天空の丘(12.35-12.40)−−−櫛ケ峰(12.55)−−−天空の丘−−−天上山最高点(13.25-13.30)−−−黒島下山口(13.40)−−−車道終点(14.00)−−−黒島登山口(14.25)−−−村落(14.55)

≪伊豆諸島神津島の山
天上山・・・櫛ケ峰より写す

竹芝埠頭から東海汽船に乗って9時間、遠い山だった。

竹芝発22時、大島、利島、新島、式根島と寄港して神津島港に着いたのは翌日の午前10時。船のデッキで近づく神津島を眺めていると、峨々とした険しい山が目に入る。それが天上山である。数百メートルの低山とは思えない。寄港した島々の山を眺めてきたが、やはりこの天上山が一番登高意欲を誘うものがあった。

港付近の観光協会で宿を手配してもらう。宿のおばさんが黒島登山口まで車で送ってくれるというのでありがたくお願いする。港から登山口までは10分ほど、歩くと30分弱くらいか。
登山口には立派な道標と杖がたくさん置いてある。

杖を拝借、公園のように整備された階段道を登って行く。高木は一本もなく、すべて膝丈の低潅木のみ。下の方は風を感がなかったのに、かなりの強風が吹きつけている。風のために低潅木しか育たないのかもしれない。1合目から始まって10合目まで階段登りがつづく。ツツジが点々と彩りを添えている。階段の終ったところが山上台地の一角で、この台地上にいくつもの突起が並んでいる。低潅木や裸地、大小の岩が点在してまるで森林限界を抜け出た北アルプスにでもいるような錯覚を覚える。一瞬雲の平を思い浮かべた。ショウジョウバカマがかなり目につく。ウグイスの囀りが心地いい。こんな遠い島でも本州の山と同じような山であることが不思議な気がする。

千代ノ池に立寄ったが水は干からびていた。池をあとにして照葉樹林のトンネルを抜け出ると裏砂漠へと入って行く。このあたりは景色が非常にいい。砂漠といわれるように浜辺のような白砂の平地が広がる。砂の粒子が非常に細かくて、手で触ると粉のようだ。このあとも粉のような砂地がたくさんあったが、どうして山の上が砂浜のようになっいるのか不思議な気がする。

展望地を経由して不動池へ立寄る。ここもほとんど水はなくなっている。雨乞神事の跡や不動尊を見てから新東京百景の景勝地へ。ここに立つと白砂に覆われた櫛ケ峰の先に式根島、新島、利島、大島が重なるように見ることが出来る。三宅島はかすんで噴煙までは確認できなかった。百景景勝地の先が天空の丘、ここに立つと地球は丸いということが実感できる。

目の前の櫛ケ峰へどうしても足を延ばしてみたくなった。道がないだろうかとあたりを探すと、かすかに踏跡らしいものが見つかった。これをたどって行程差数十メートルを下り、大ガレの縁から白砂の稜を緩く登って櫛ケ峰のピークへ立ち、さらにその先まで行ってみた。振り返ると天上山台地の北側が恐怖感を呼ぶほどに大崩壊の傷跡を生々しく見せていた。櫛ケ峰まで足を延ばす人はめったになく、美しい台地がこんな姿で引き裂かれているとは誰も想像しないだろう。

天上山二等三角点
再び天空の丘へ戻り、最高点の三角点へ向かう。
岩石のごろごろしたピークには、天上山の標柱と二等三角点、これが関東百名山り97座目となった。かなり風が強い(下山したら風はほとんど感じなかった)

下山は黒島口へ降りることにする。
下山口から整備したばかりのじくぐざぐの階段道を下って行く。途中から照葉樹林へと入り、トイレや駐車スペースのある車道終点へ出る。ここまで車で来ると天上山へ登るのはわけない。
車道は無視して再び樹林の中の登山道へ入る。那智堂などを見て下って行くと車道に出て、そこが白島登山口である。トイレのあった白島登山口とはまったく別の車道である。「花の百名山」という案内看板も立っていた。
あと村落まではぶらぶら歩いて30分ほどだった。

私は神津島で1泊したが、夜行便の船で来て、天上山へ登ったら午後の便で帰るという方法(いわゆる夜行日帰り)もとれそうです。
20時竹芝発−−−翌日午前10時神津島着−−−出来たらタクシーで登山口へ(10分)−−−コース一巡の所要時間2時間半程度−−−下山してから港まで徒歩30分−−−帰りはジェット船利用で神津島港発14時25分−−−竹芝着18時15分
(船の時刻表は季節ごとに大きく異なります。上記参考事例は私の行った時期のものです)


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