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関東百名山 笠ケ岳=かさがたけ(2058m)
登頂年月 2005.07.19 天候 風雨 単独 マイカー 三等三角点
鳩待峠(6.30)−−−至仏・笠分岐(7.30)−−−笠ケ岳(8.55-9.05)−−−分岐(10.25)−−−鳩待峠(11.15)

風雨とガスの笠ケ岳山頂

***関東百名山の100座目***

梅雨明け発表と好天の予報に、関東百名山締めくくりの山へ出かけた。
戸倉の並木駐車場に車を止め、バスで鳩待峠へ。平日にもかかわらず峠には大勢の登山者の姿がある。山の鼻へ下って行く人、至仏山方面へ登って行く人さまざま。
落ちてきた雨粒を見て雨具を着装、至仏山への登山道へ入る。この道は17年ぶり、あまり記憶に残っていない。
雨の降る中を大勢のハイカーがゆっくりと登って行く。次々と追い越させてもらう。このコースには昔から木道がこんなにあったのだろうか、どうも思い出せない。もっと地道を歩いたような気もする。

天気予報に騙された思いで雨の中を急ぐ。1時間ちょうどで至仏と笠ケ岳との分岐、ほとんどの人は至仏山へ直進して行くが、道標を確認して左手の笠ケ岳へと向かう。
分岐からは小笠との間にコルを一つ挟んでいる。標高差100メートルほどの緩やかなコルで気になるような上り下りではない。むしろ絶え間なく出現するぬかるみに音をあげたい。ぬかるみを避けるために余計な体力を使う。なんとも鬱陶しい。
黒木の樹林は展望もない。開けていたとしてもこのガスだ。足もとのぬかるみを気にしながら黙々と歩くしかない。ゴム長靴で来るべきだった。

コルから登りに入ると、ときどき登山道沿いに花も見られるようになる。コバイケイソウがいちばん良い時期にあたっているようだ。樹林の途切れたところでは風が強い。
小笠のピークを越えるあたりからお花畑が展開するようになり、景色もない中、楽しみは花だけ。コバイケイソウをはじめ、タカネナデシコ、ハクサンコザクラ、ミヤマシオガマ、ヨツバシオガマ、ホソバヒナウスユキソウ、ミヤマダイモンジソウ、イブキジャコウソウ、ニッコウキスゲ、イワインチン、ミヤマアズマギクなどざっと数えただけでも20種類以上の花が見られた。

道標の分岐で、湯の小屋方面への道を見送って右へ折れ、急な岩場を登りきると岩の積み重なった笠ケ岳山頂、関東百名山達成の瞬間である。
それにしてもこの荒れ模様の風雨は、とても達成を祝するような雰囲気ではない。デジカメの濡れるのを心配しながら、取りあえず山頂の写真を撮る。笠ケ岳を示していた標柱は朽ちて見る影もなく、風雪に耐えたその柱と寄り添うように傾いた三等三角点標石があった。そばの大岩に赤ペンキで「笠ケ岳」と書かれているが、これも薄くなっていてカメラにはよく写らなかった。

山頂の岩陰に風を避けながら、休憩かたがた回りの花を確認したりしてから山頂をあとにした。鳩待峠への下りでは、次々と至仏山へ登って行くハイカーに出会う。さすがは日本百名山である。笠ケ岳コースで出会ったのは初老夫婦の二人だけだった。

関東百名山をこのよう悪天の中でしめくくるのは不本意であったが、天気ばかりはどうにもならない。何はともあれこれでまた一つ区切りをつけることができた。
このあと関東百座のK桧岳と錫ケ岳を登ることにしていた。


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