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関東百山
　黒桧岳＝くろびだけ（1976ｍ）・社　山＝しゃざん（1827ｍ）

登頂年月　2005.07.20	天候　曇り	単独		マイカー	社山　三等三角点
立木観音歌ケ浜駐車場（4.30）−−−阿世潟登山口（5.15-5.25）−−−阿世潟峠（5.35-5.45）−−−社山（6.30-6.35）−−−�K桧岳（8.10）−−−千手堂登山口（9.15）−−−湖周道路南岸・松ケ崎−−−休憩（9.35-9.45）−−−阿世潟（11.45-11.50）−−−歌ケ浜駐車場（12.40）
�K桧岳へ延びる尾根、中央やや右が�K桧岳 ***�K桧岳　関東百山の９９座目*** ***社　山　 日本の山１０００****** 　 中禅寺湖畔の立木観音前にある歌ケ浜駐車場（無料）で一夜を明かし、夜明けとともに出発する。黒桧岳だけなら菖蒲ケ浜に車を止め、湖畔北岸を千手ケ浜まで歩き、ここから山頂をピストンすれば比較的簡単に登るとがてきることはわかっていた。 併せて社山も登ろうとしたために長いコースとなってしまった。 （実は社山を一等三角点と勘違いして登ったのだが、帰宅後調べるとそれは一等ではなく三等、日本の山1000であった。以前から社山のことを誤って頭にインプットしていたための間違い） 中禅寺湖スカイラインゲートの手前で右手湖岸への車道へ入る。ここにもゲートがあって一般車は通行できない。 旧イタリア大使館記念公園を通り、半月峠への分岐を見送り、3.4キロで道標の立つ登山口の阿世潟となる。 阿世潟峠までは標高差１００メートルほど、１０分余の軽い登りで着いてしまう。家で洗腸をしてきたが排便が始まってしまった。まだ４０時間もたっていないのにいつもより少し早い。仕方なくパウチを装着する。１０分ほどの作業。 阿世潟峠からは社山へ向けてやや急な登りとなる。アンテナの立つピークが見えるが、社山にしては近すぎる。振り向くと昨日登った半月山が三角形の姿を見せている。 ひと登りしてアンテナのピークに着くと社山らしいピークはまだかなり先だった。小さく下ってから本格的な登りが始まる。訪れる登山者も多いのだろう、道は良く踏まれていて歩きやすい。右手には中禅寺湖から男体山が常に見えている。 勾配が緩くなると間もなく社山の山頂、樹木に囲まれて展望はない。早速三角点を確認する。「あれ？三等・・・」、記憶では一等と思っていたのにどうしてだろう。標石のサイズも小さいし刻字も間違いなく三等、この付近に社山という山がもう一つあるのではないか、そんなことを思いながら社山を後にした。この山行の目的は関東百山９９座目の黒桧岳、先を急ぐ。 社山のピークからわずかに下ると樹林が開ける。直進したい地形だが、良く見ると右手直角方向に目印のテープがある。高低差１００メートルほどの急坂を下ると雰囲気が一変する。笹に覆われた明るい尾根が延びている。足尾の山、奥白根山、明日の予定の錫ケ岳、男体山などが展望できる。 コルから小さなガレに取りつき、あとは気持ちいい笹の登りがつづく。小さなピークを二つ越えた先で、尾根の左手にトラバース気味の道がある。ムダなピークを越えなくてもよさそうな気がしてこのトラバース道へ入った。ところが尾根からは次第に離れていく。途中で獣道らしい跡を尾根目指してジグザグに登って尾根道へ合流した。笹の斜面を見ると踏跡らしい筋が幾つも見える。鹿などの獣道ではないだろうか。注意する必要がある。 膝丈ほどだった笹が、やがて腰高、ところによっては肩までと深くなり、足元が見えにくくなってきた。しかしトレイルは比較的しっかりしているのでルートを外す心配はない。ガサガサと笹を分けながらなだらかな斜面を登って行く。 やがて笹の海が終った先に樹林帯が広がっている。樹林への入口には道標が立っている。 明るい展望の尾根から、ダケカンバや針葉樹の原生林の中へ入ると、急に夕闇が迫ったような暗い陰気な雰囲気に戸惑う。ほとんど勾配のないような平坦な樹林帯は、薄暗いこともあって踏跡は判然としない。目印の赤テープや、１０センチ角の赤･黄のプレートが短い間隔で付けられているので迷わないが、それがなかったらこの樹林の中を歩くのは不可能かもしれない。 突然『黒桧岳』という標識の立つ小さな空間に出た。山頂という雰囲気とは程遠く、平坦地のただの一地点というに過ぎない。どこを山頂としてもいいような広い平坦地である。大きなダケカンバ、鬱蒼とした針葉樹が山名となった『クロベ』だろうか。人手の入らない原始の森という雰囲気を肌に感じる。ここまで所要４時間近く、意外に時間がかかっていた。 座る場所もなく、関東百山９９座目の頂を踏んだ思いだけを残して早々に下山にかかる。 最初はイライラするような緩い下りがつづくが、やがて急となって一気に高度を下げて行く。終始樹林の中で展望はない。手っ取り早くこのコースをピストンするだけでは、この黒桧岳はつまらない山ということになってしまいそうだ。かなり下った付近にシャクナゲの群生が見られた。花期にあたれば見ごたえがありそうだ。 山頂から１時間余で、中禅寺湖畔千手堂跡の登山口、湖周道路に降り立った。 ここでまた思い違いをしてしまった。湖周道路というのは車道だと思っていたのに、降りたったところには登山道のような道しかない。歌ケ浜まで１３キロほど、２時間と少しあればいいと読んでいた。思惑とはちがうようだ。とりあえず東に向かって南岸を進めば、間もなく車道になるだろう、そうたかかをくくって歩き始めた。 沢や窪地には木橋がかけられ、階段があったりして歩きやすくしてあるものの、実態は登山道そのもの、小さいながらアップダウンを数えきれないほど繰り返し、ときには岩場同然の所も少なくない。いくら歩いても車道にならない。 阿世潟まで9.4キロ、途中１０分の休憩はとったが２時間３０分を要してしまった。ときおり男体山や湖面が見える程度で展望もなく、こんなことなら黒桧岳から来た道を引き返した方が余程楽しめたはず、大きな誤算だった。阿世潟が車道の終点になってたのだ。 千手ケ浜から中禅寺湖の北岸を菖蒲ケ浜へ出るのが正解だったようだ。 事前調査の手抜きを後悔しつつ、歌ケ浜駐車場へと向かった。 結局行程８時間余の長帳場となり、明日のロングコース錫ケ岳登頂へ疲労が残らないかそれが気にかかった。
社山・・・昭文社の山と高原地図には「やしろやま」とルビがふってありますが、日本山名事典、それと半月山展望台にある展望案内板は「しゃざん」となっています。どうやら「しゃざん」が正しいようです。

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