追想の山々1044  up-date 2001.06.25

アポイ岳(811m) 登頂日1994.08.10 晴れ 妻同行
アポイキャンプ場(5.30)−−−5合目休憩舎(6.40)−−−7合目(7.30)−−−アポイ岳(7.55.-8.10)−−−5合目休憩舎(9.05)−−−アポイキャンプ場(10.00-11.00)===えりも岬===黄金道路===札内川林道終点(16.30)
所要時間 4時間30分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
                  1994年・北海道の山旅〓その3〓(57歳)

 
アポイ岳(7合目から)

ペテガリ岳、神威岳とハードな2座を2日連続登頂して、3日目は休養かたがたのアポイ岳にした。  
昨日夕方アポイ山麓のアポイキャンプ場に到着してテント設営。広々とした芝生のキャンプ場は気持ち良かった。

アポイ岳はおまけの山で、天候はどうでもいいと思っていたのに、何と絶好の登山日和となった。早朝から抜けるような青空が広がり、これが昨日の神威岳だったらどんなにかよかったのに・・・・。そう思わずにはいられない。
今日は妻も一緒の登頂である。アポイは固有種の多く見られる高山植物の山として名が知られる。
キャンプ場の登山届帳に記入してアポイ岳へ向かった。登山道とは思えないような立派な道からはじまる。木製の階段が作られ、その脇には早々と花が見られるが名前はわからない。
目の下になったキャンプ場や、朝陽に輝く日高の海岸を眺めながら登って行く。砂利を敷き詰めただらだら坂を登ってから、山腹を巻く下りに変わる。下っていくのも変な気がして不安になったが、しばらくすると山道への入口があった。  
標識にしたがって黒木樹林へ入ると、ようやく登山道らしくなってきた。第4喫煙所は良い水場だというのに、沢には一滴の水も流れていない。北海道もよほどの雨不足なのだ。  

突然樹林が切れて避難小屋の建つ5合目だった。森林限界を越えてここからは草原状のお花畑が広がっていた。仰ぐと緑に身をまとったアポイ岳が聳え、限下には日高の海が果てしなく広がっている。いよいよ山頂への本格的な急登が始まった。
礫岩の尾根筋には高山植物が姿を見せはじめた。かなりの高山植物を知っているつもりだが、名前がわからない花が多い。ヤハズハハコグサと 同じようでも、どこか少し感じが違う。はじめて目にする花ばかりだ。  

急登を挙って岩のピークに立った。七台目の展望台である。雲ひとっない青空の下に、遠く藍色の山並が連なっているのが見える。日高の山々であった。楽古岳など日高連峰南部の諸峰だろうか。 7合目から山頂へは馬の背の痩せた岩稜を登って行く。  
ぎらぎらと照りつける陽差しが強烈だ。かがみ込んで足元の花を確認し、遠い山稜を眺め、吹き出す汗を拭きながら岩稜を撃じり終わって、ようやく涼しい潅木林に入ると、その先が一等三角点アポイ岳の山頂だった。  
折角の一等三角点も周囲に潅木が茂って、眺望は全く得られない。やや拍子抜けした気分で、記念写真だけ撮り、馬の背を下った先の七台目ピークで、展望を楽しみながら休憩を取った。

北海道とも思えぬ暑さに閉口しながらキャ ンプ場まで戻ったが、休養気分で登った山にしては、決してそんに楽ではなかった。標高差が700メートル以上もあるのだから、それは当然だった。  

もう一晩アポイキャンプ場へ泊まって、明日はカムイエクウチカウシ山登山口への移動日と考えていたが、天候の安定しているうちに登った方がいいと判断、テントを畳んで出発の準備をした。
キャンプ場に隣接する、様似町老人福祉センター“アポイ山荘”の1 1時開館を待って入浴。借り切りのような温泉で伸び伸びと手足をのばして、気分もさっぱり次の目的地、カムイエクウチカウシ登山口へと向かった。