追想の山々1082  up-date 2001.08.10

羊蹄山(1893m) 登頂日1990.08.05 晴 妻
新潟港∽∽∽フェリー∽∽∽小樽港(4.15)−−倶知安半月湖登山口(6.30-50)−−−5合目(8.00)−−−8合目(8.50)−−−羊蹄山(9.30-45)−−−5合目(10.50)−−−登山口(12.15)
所要時間 5時間25分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
   1990年・北海道の山旅(その1)=(53歳)

羊蹄山頂上にて
新潟からフェリーで小樽港へ。
小樽港を後にして、倶知安へ向かう。半月湖の看板を見て左折、トウモロコシ畑の道を直進する。行き止まりに駐車場があった。

6時50分、登山届けに記入して出発。
標高差1500メー トル以上を直登し、下山という行程は妻にはかなりきびしい。私のペ−スにはついて来られないし、次のスケジュールがあるので適当なところで妻には下山してもらうつもりだ。8時間半のコースタイムを、6時間が目標。  

途中まで妻と一緒だったが、その後は私のペースで先に行くことにする。緩やかだった道は、やがて本格的な登りに変わってきた。  
5合目を過ぎると背後にニセコの山々が見えて来た。湿っぼい大気に端正なニセコアンヌプリが揺れるように見えている。どうやら雲の上に出たようだ。
5合目、まだ標高1000メートルにもなっていないと思うのにハイマツがあらわれ、本州なら2500メートルの高山帯に匹敵する。
登りは−段と勾配を増し、ハイマツやミヤマハンノキといった低潅木帯の中をひたすら足を運ぶ。
7合目の標識で一息ついてから、さらに急登がきびしくなった。岩や木の根に足をかけ手を使って体を引きずり上げて行く。
体憩らしいものもなく、予定より早く9合目まで来た。潅木帯を抜けて森林限界だ。頭上の覆いが取り払われ青い空が広がっている。

ずるずると滑り落ちそうな裸地を這い登ると、急登から解放されてなだらかな勾配になった。前方に赤錆色の円頂が見える。山頂までもうひといき。小屋と頂上への分岐で初めて高山植物の群落に出会った。一年ぶりのイワブクロもある。  
天気はよし、お花畑の中を気分よく最後の登りだ。砂礫となった斜面をひと登りするとそこが火口縁だった。風がここちよくいっペんに汗が引いて行く。火口縁の左手は乾燥した砂地がゆったりとつづいている。右手は岩の凹凸が険しい。火ロの真っ正面が山頂らしく櫓が見える。すり鉢状の火口を見下ろしながら半周、岩場を乗り越えると1893メートルの山頂だった。所要約2時間半、予定より順調だった。
晴れてはいるが周囲の山々には雲がまといつき展望はきかない。 

この先の岩の突起がここより高く見える。何となくそこが最高点のような気がして空身でそこまで足を伸ばした。岩尾根を数分行くとその突起に立った。(後日、山頂標高の訂正が発表され、この羊蹄山もそのひとつだった。どうやら私の立った突起が最高点となったらしい)
火口を一周したい誘惑もあったが、時間のことが気にかかり、計画通りそのまま下山についた。

五合目下で妻に出会う。七合目まで登って引き返したとのこと。妻にしてはこの急登をよくそこまで登った。さすがに下りは足がきかず、歩みは遅々としていた。
今夜の宿カルルス温泉へ向かった。