追想の山々1113  up-date 2001.09.23

姫神山(1125m) 登頂日1991.08.09 妻同行
網張りキャンプ場(5.20)===姫神山登山口(6.35)−−−8合目(7.30)−−−姫神山(8.00-8.15)−−−6合目(8.45)−−−登山口(9.15)===啄木記念館===栗駒天坊高原駒の湯キャンプ場
所要時間 2時間40分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
   1991年・日本300名山東北の山旅(その6)=(54歳)
頂上直下の岩場

網張温泉キャンプ場を5時半出発。  
東北自動車道を盛岡から滝沢まで走り、姫神山一本杉登山口への到着が6時20分。周囲の山は雲の中、今日の姫神山もただ頂上を踏んで来るだけで終りそうだ。

雨支度で出発する。  
霧と杉木立で薄暗い道を15分ほど歩くと一本杉の水場に着く。伏流と なっていた水が、ここで地面に湧き出している。冷たくておいしい。  
一本杉から支尾根に出るまでの間と、支尾根から6合目にかけてはコンクリート製の長い階段だ。  
8合目の表示あたりで気がつくと、それまでミズナラが主役だった樹林が、白樺やブナに変わっていた。樹木の丈が低くなってあたりが明るくなると、巨岩の累々と積み重なった岩場があらわれる。濡れて滑りやすい岩を慎重に踏んで、回り込むように登り着いたところが山頂だった。登山口から妻の足で1時間25分。霧で展望はない。
岩手県の名山として岩手山と対峙する姫神山であるが、その岩手山も霧の彼方であった。

山頂には信仰の山らしく、石祠、石仏、石灯籠と賑やかだ。頭の中で眺望を想像する。岩手山、岩木山、秋田駒ヶ岳、八甲田、月山、早池峰山・・・・いつかもう一度展望を確かめにきたいものだ。一等三角点標はコンクリートに固められて頭だけ出していた。  
峨々とした巨岩に覆われた山頂の感じからは、姫神山というどこか怪しい神秘的な名前とが結びつかない。
待っても霧は晴れそうもなく下山することにする。山頂から登山口までは1時間ちょっとで下ってしまった。  

姫神山山麓の渋民村(今の玉山村)にある啄木記念館を見学。石川啄木の『ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな』の『ふるさとの山』は、岩手山ではなくて姫神山のことだと聞いた記憶がある。この山旅を通して岩手山も姫神山も一度もその姿を目にすることができなかった。
2年前、岩手山からの下山時に遠望した姫神山を思い浮かべるのみだ。  
この後東北自動車道を南下、栗駒高原駒の湯キャンプ場へと車を走らせた。テントを張って一段落したところで、駒の湯温泉に出向き、のんびりと温泉気分を味わった。