追想の山々1128  up-date 2001.10.10

英彦山(1200m) 登頂日1998.05.18 単独
別所駐車場(12.40)−−−奉幣殿(13.00)−−−中津宮(13.30)−−−英彦山神宮(14.00)−−−南岳(14.10-15)−−−英彦山神宮(14.25)−−−中津宮(14.15)−−−別所駐車場(15.20)
所要時間 2時間40分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
1998年・九州早がけ登山・8日間で14座=(52歳)
大崩山・傾山阿蘇烏帽子岳・普賢岳・多良岳〜経ケ岳・天山・背振山・英彦山・釈迦岳・大船山〜平治岳・湧蓋山・由布岳・鶴見岳・尾鈴山

英彦山
最高点の南岳
=日本300名山

背振山の頂を踏むとすぐに東背振ICまで戻り、高速杷木ICを出てこの日三つ目の英彦山へ向かう。  
国道211号線、500号線と走って、英彦山神宮近くの別所駐車場へ着いたのは12時30分。この時間なら楽々と山頂を往復出来る。  
英彦山はこの九州遠征で登る予定になっていなかった。そのため下準備も不十分だったが、ごく軽いピクニックほどの山という印象を持っていた。今朝から天山、背振山と登ってきたが、いずれも山頂付近まで自動車で上がってしまったので、実質1時間も歩いていない。そのため時間に余裕が出来、背振山を登った時点で時計を見ながら英彦山を登る気になったのであった。

英彦山といえば修験の山として全国に知られた霊山、もちろん九州においては、並ぶもののない大きな神社である。出羽の羽黒山、大和の大峰山とともに、日本の三大修験霊場である。  ウィークデイのためか広い駐車場にはほとんど止まっている自動車はなく、2軒の茶店も閑散としていた。  

ピクニック気分でジョギングシューズを履いて出発した。2〜3時間もあれば楽に往復できるだろう。  
駐車場から舗装された道を10分近く歩くと、長い石段の中間地点に出た。本当はもう少し下に銅鳥居というのがあって、参道はここから始まっている。
感心するような幅の広い石段を登ってゆく。両側にはかつて多くの山伏たちが宿泊した山坊などが残っている。いまも使っているのかどうか、人の住む気配もなく静まっていた。  
休日には老若男女、大勢の人たちが杖をついたりして行き来しているのかも知れないが、ちらほらとアベックの姿や、年寄りたちが見えるだけだ。石段を登り終わったところに奉幣殿が建っている。改修中で建物全体が覆われていて、国宝というその全体像は見ることができなかった。一応参拝だけして、さらに石段を少し登って行くともう一つ社殿があって、ここから急な登りとなる。自然石の階段が杉木立の中を縫うように上ってゆく。  
ジョギングシューズで軽快なピッチ。ほとんど行き交う人もない。  

ちょっとした岩場に鎖がつけられているが、別に鎖に頼るほどのこともない。勾配が緩んでくると、間もなく中津宮の標識に着く。奉幣殿から丁度30分、思いのほかきつい登りで、結構汗を流した。  
この先急な登りはなく、稚児落しなどを経て登ってゆくと視界が開けてきたが、目の前に広がる景観は荒涼とした風景。多分天をついて立っていたと思われる杉の林が、根株だけ残して殺伐とした眺めである。台風にでも遭って吹き倒され、それを整理した後のようにも見える。鬱蒼とした巨木に覆われた霊山という雰囲気には程遠いものとなっていた。  
関銭神社の標識のある付近で、中学生らしい一団が下ってきた。最初は20〜30人。生徒達は一人一人「こんにちは」と大きな声で挨拶してゆく。中には丁寧に帽子をとって挨拶する生徒もいる。「大勢だね」と声をかけると「全部で250人です」という。まさに「えっ」という感じ。通り過ぎるまではしばらく動くことが出来なかった。全員が挨拶して行くから、答えるこっちも大変だ。そこからしばらく登ったところが行者堂で水場もある。飲んでみたがぜんぜんうまくなかった。  

再び山頂まで石段が作られている。一部は破損したりしているが、昔人力でこれだけの作業も並大抵のことではなかっただろう。
上りついたピークが英彦山神宮の木造社殿の建つ中岳山頂だった。この先にもう一つ小さなピークが見える。南岳の道標がある。良く分からないが一投足の距離だったので足を伸ばした。いったん下って登りかえすと、それは南岳という山頂で、ここが英彦山最高点で一等三角点標石もあった。ここまで足を伸ばしてよかった。所要時間は1時間35分だった。あれだけ早いピッチでの時間だから、普通なら3時間近いコースになるだろう。ピクニックなどと馬鹿にしてはいけなかった。  
山頂は樹木に囲まれて展望はない。  

下山は同じ道を引き返した。帰りは走るよう速さで1時間ちょっとだった。奉幣殿まで下ってくると、あの生徒たちが到着したところだった。 時間は3時20分、さてこれからどうするか。これも予定になかった福岡県の最高峰”釈迦岳”に近い所まで行っておくことにする。国道500号線、496号線、そして212号線から日田市に入って前津江村へと向かった。