追想の山々1133 up-date 2001.10.15

鶴見岳(1375m) 登頂日1998.05.20 単独
火男火売神社手前の駐車場(11.40)−−−神社本殿(11.50)−−−ベンチ(12.15)−−−鶴見岳(13.00-10)−−−ベンチ(13.40)−−−駐車場(14.00)===延岡市へ
所要時間 2時間20分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
1998年・九州早がけ登山・8日間で14座=(52歳)
大崩山・傾山阿蘇烏帽子岳・普賢岳・多良岳〜経ケ岳・天山・背振山・英彦山・釈迦岳・大船山〜平治岳・湧蓋山・由布岳・鶴見岳・尾鈴山

日本300名山−≪湧蓋山、由布岳につづいて本日3つ目の山≫
鶴見岳山頂


湧蓋山=標高差540m、由布岳=標高差890m、そしてこの鶴見岳は標高差840m。
合わせて標高差2270メートル、一山づつ移動しながらこれを一日に登ってしまった。61歳にもなって、1日でこれだけ登るというのも我ながらすごいと思う。一つの山で一気に登るならまだしも、三つの山というところが並みではない。 あきれるほどの強行は、さすがに最後の鶴見岳では足が重かった。
下山したら別府か大分市のビジネスホテル宿泊の予定。ここからならたいした時間もかからずに行けるから気が楽だ。そう思っていたが、結局明日登頂予定の尾鈴山に便利な延岡市まで車を飛ばしてしまった。

由布岳を下山した時に教えてくれたおじさんの言う通り、鳥居をくぐって舗装された坂道をさらに奥へ入ってゆくと、登山者用の大きな駐車場があった。自動車はここまでだった。
駐車場から少し行くと火男火売神社という変わった名前の社殿への石段となる。杉木立の長い石段を登ってゆくと社殿が建っている。火の神様だそうだ。
登山道は社殿左手の裏から始まる。樹林の中へ入ってゆく。最初はあまり急なところはなく、比較的楽な気持ちで足を進めて行ける。  
神社から30分も行かないすちにベンチの休憩所があって、一組の男女が休んでいた。私にも「どうぞ」と言って場所を空けてくれたが、立ったまま水筒の水で喉を潤すと、そのまま先へ進んだ。ベンチを過ぎたあたりから勾配が徐々に急になってきた。疲労も出てきて、登りが足にこたえるがそれほどペースを落とすことなく登ってゆく。  
この山も照葉樹林の山で、こんなに天気がいいのに、山の中は何となくじめじめした暗さが感じられる。明るい気分になれない。これが南国の山の特徴なのだろう。展望もなく、広葉樹林のような快適さも感じられず、ただひたすらに黙々と足を運ぶ。  

コースは勾配を強めてじぐざぐを切る登りとなる。折り返しを繰り返しながら高度を稼いで行くがなかなか山頂の感じが見えてこない。下ってくる数人のパーティーに出会う。ジョギングシューズを履いた白髪の私を見て、初心者に対する同情も込めた口振りで「もうすぐローブウエイ駅と山頂との分岐の表示です。山頂まではもうそんなにないからがんばって」と声をかけてくれた。いわれたとおり分岐表示はすぐにあったが、そこからもうすぐと思った山頂までは、さらにジグザグを何回も重ねなければならなかった。  
ようやく人声が風に乗って来るようになると、山頂の一角に出た。遊園地のように整備された山頂には、電波塔などさまざまな建造物が点在していた。  
ロープウエイ駅は下の方に見えるが、ここまで10分か15分はかかるだろう。  
遊歩道が縦横に整備されて、その上を観光客が三々五々散策している。山頂にはミヤマキリシマが都会の公園のツツジさながらに咲いていた。ミヤマキリシマを前景に、西の方角には豊後富士と呼ばれる由布岳が美しい姿で聳えていた。なかなか絵になる構図である。東には別府の市街地や湾が俯瞰できる。見通しがよければ四国の山々も見えるのかもしれない。  

しばらく由布岳を眺めた後、来た道を戻ることにした。  
社殿も近いと思われるころ、分岐近くで出あった数人のパーティーに追いついた。私の早かったのに驚いている風だった。  
神社石段の途中にある水を、柄杓にすくってたてつづけに喉に流し込んだ。  

それにしても1日三座。ひとつひとつが、立派に一日のハイキングになる山ばかり、よく登ったと思う。
時刻は2時半、さてどうしようか。夕暮れまでには時間はたっぷりある。別府、大分には泊まらず、このまま延岡まで行ってしまい、そこで泊まって翌日尾鈴山を登り、夕方の日向発のフェリーで帰るのがよさそうだ。  
疲れた体で兆駆延岡まで自動車を飛ばすのもきついが気力だけはあった。別府ICから終点の大分米良IC。その先は国道10号線を南へ向かって疾駆、延岡市のホテル到着が5時35分だった。  

それにしても何とめまぐるしい1日だったことか。普通の人の3〜4日分を1日で動いてしまったほどの活動量だろう。さすがに体全体に疲労感が広がっていた。ホテルの部屋にくつろいでも、これからまだやることが残っている。洗腸をしなくてはならない。その後、ようやく途中のコンビニで仕入れてきた弁当で夕食にした。