追想の山々1143  up-date 2001.10.22

瓶ケ森(1897m) 登頂日1997.11.02 単独
登山口(8.25)−−−男山−−−瓶ケ森(8.55-9.05)−−−瓶ケ森ヒュッテ−−−登山口(9.30)===宇和島市経由、三本杭登山口へ
所要時間 1時間05分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
1997年秋・300名山四国の山旅(その5)=60才
氷見ニ千石原と石鎚山


伊予富士を下山した後、そのまま自動車は瓶ケ森林道を西へ向かった。
20分ほどで瓶ケ森登山口へ到着。時刻は8時15分を回ったばかり、大勢の登山者(観光客?)がたむろしている。
この登山口からだと山頂までの標高差はわずか200メートル。30分弱で達してしまう。したがってここからでは登山と言うのが憚られる。観光客の領分だ。

すばらしい快晴で明けたのに、もう雲量が増えていた。風も身を切るように冷めたい。
早速登頂にかかる。早くも下りてくる人も多い。遊歩道のように整備された道で、登山靴が気恥ずかしいような登りだった。20分ほどで社殿の建つ男山へ登りつく。三角点ピークへ向かうコースは、いくぶん下りとなって雪が凍結、気をつけないとスリップして足を取られる。笹につかまりながら尾根を10分、瓶ケ森山頂に到着。
西方間近に石槌山が大きな山体を構えている。石槌山をのぞむ最高の展望台かも知れない。陽気の良いときなら、座っていつまでも眺めていたいような展望だ。東方には伊予富士をはじめとする寒風山、笹ケ峰と連なる四国の脊梁が重畳と延びていた。足下には氷見ニ千石原と呼ばれる広大な笹原が広がっている。笹の丈は膝上くらいのもので、歩いている人も腰から上は見えている。まさに”笹原”のイメージだった。以前、石槌山へ登ったときの、笹原の美しい瓶ケ森の眺めが思い出された。

陽光も雲に遮られ、吹きさらしの北風に身をちぢめながら、ひとわたり展望を楽しむと、寒さに追われるようにして山頂を後にした。
下山は氷見ニ千石原へのコースをとる。瓶ケ森ヒュッテからはほとんど平坦な道を、石槌山を眺めながらスタート地点の駐車場へ戻った。所用時間はわずか1時間余に過ぎなかった。

今日はこれから三本杭登山口まで移動するつもりだ。夕方までに着けばいいので気は楽だった。とはいうものの道路状況がややこしくて、間違わないようにゆけるかどうか、それが不安だった。
瓶ケ森を振返りつつ石槌スカイラインを美川村へと下って行くと、今度は石槌山が姿を見せる。ここから見る石槌山は天を刺す槍のような鋭さで聳えていた。今まで目にしてきた石槌山とは似ても似つかない姿で、強く目を引き付けた。

美川村から地図と首っ引きで内子町、大洲市と経由して宇和島市へ向かう。
宇和島市から広見町方面へ分岐するのにちょっとまごついたが、何とか国道320号線へと入り、須賀川ダム地点へと向かう。目標は随所に案内看板の目につく”床滑渓谷”である。床滑渓谷への道標は最後まではっきりしていて、3時過ぎには三本杭登山口の万年橋へたどり着いた。紅葉の三連休で賑わっていた。
この夜は駐車場で一夜を過ごし、明早朝の三本杭登頂に備えた。