追想の山々1151  up-date 2001.10.25

道後山=どうごさん(1269m) 登頂日1997.10.12 単独
道後山スキー場上の登山口(6.00)−−−岩樋山(6.30)−−−道後山(6.50-55)−−−岩樋山(7.12)−−−登山口(7.35)===東条IC、津山IC===那岐山登山口へ
所要時間 1時間35分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
中国山地の300名山(その3)
道後山(岩樋山より)


夜半は星空も見えていたのに、夜の明けはじめるころから小雨がぱらつきだした。昨日の三瓶山につづき今日もまた雨のスタートとなった。
昨夜は広い駐車場に一人だけだったのに、朝起きると軽自動車が一台止まっていた。
道後山の山頂を雲が去来している。風が音を立てて梢をゆさぶる。標高1000メートルの駐車場はかなり冷え込んでいた。湯気をたてる朝食のラーメンが体を暖めてくれる。
駐車場は7〜8合目に相当する高さ、山頂往復は2時間も見ればいいだろう。それにしても中国山地の山は、どこもかしこも頂上近くまで林道などが通じているような気がする。昨日の吾妻山もそうだった。理由の一つは高くても1000メートルを少し上回る程度の標高しかなく、しかも急峻な山が少ないことで開発が進んでしまうのだろうか。

6時、雨支度に身を包んで出発。もうすっかり夜は明けている。
この山は日本三百名山に選ばれたほどの山にもかかわらず、登山資料をまったく見つけることが出来なかった。5万図の地図だけが頼りである。車道のつづきのような広い道をしばらく歩く。遊歩道のようによく整備されている。島根県民の身近な山として訪れる人も多いのだろう。広い道がハイキング用の小径となって落葉樹林の下を登って行くと、展望台のようなところに四阿があった。幸いに雨は止んでいたが遠望はきかない。
四阿の先で道は二分する。右手が近道のようだが登山道崩壊による通行止めとなっており、左回りの道を行く。急勾配や危険な箇所はまったくなくて、格好の家族向きコースという感じの山である。
潅木林を抜けて明るい笹原の斜面に出た。天気がよければさぞ気持ち良い漫歩コースと想像される。
歩きだして30分、アンテナの建つピークに出た。地図にある岩樋山である。昨夕駐車場から見えていたのが、てっきり道後山だと思っていたのに、それは岩樋山だったようだ。遠望はきかないが、なだらかな円頂を持った山々に取り囲まれていて、広々とした眺めである。岩樋山から小さく下ってふたたび登りかえして行く道が、小笹の原に一筋延びている。その先が道後山の山頂のようだ。
道後山頂上へ向かう膝下の小笹の平坦道は、まるで公園を散歩しているような気分になる。朽ちかけた柵のような跡が見える。牧場だった跡かもしれない。
山頂まで50分で達してしまった。遮るものもなく、茫として広がる平坦な山頂で、山の上にいるのを忘れるような雰囲気があった。 冷たい風を防ぐ物陰一つない。見るべき展望もなく、記念写真だけ撮って同じ道を戻った。
今日はこの後那岐山登頂の予定があるので、直ちに津山市北部にある登山口へと自動車を向けた。