追想の山々1152  up-date 2001.10.25

那岐山=なぎさん(1240m) 登頂日1997.10.12 単独
蛇淵の滝コース駐車場(10.30)−−−B、Cコース登山口(10.50)−−−5合目(11.20)−−−那岐山(12.10-20)−−−三角点(12.25-30)−−−大神岩(12.45)−−−B、Cコース分岐(13.10)−−−駐車場(13.20)===郡家・中河原経由、河合谷高原扇の山登山口着(16.10)
所要時間 2時間50分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
中国山地の300名山(その4)
三角点ピークから那岐山を見る


道後山を下山すると、ただちにR314から中国自動車道の東城ICへ。高速を約100キロ走って津山ICを出る。津山から国道53号線を北へ向かう。奈義町へ入り快調に自動車を飛ばしてゆくと、教わるまでもなく立派な『那岐山』の標識があった。
島根・広島県境の道後山は3〜4時間前、雨が降っていたのに、鳥取・岡山県境のここは良く晴れている。登山口へ向かう町道の正面に那岐山の姿がひときわ大きく目立つ。天気がいいと「さあ登るぞ!」という意欲が満ちてくる。天候が人に与える心理的影響は大きいものだ。

付近に自衛隊の駐屯地があるのか、隊員の姿や車両などが目に付いた。
菩提寺から那岐山へ登り、蛇淵の滝へ下るコースを予定していた。蛇淵の滝入口の標識を見送って、菩提寺へと自動車を進めたが、かなり走っても菩提寺に着かない。あまり離れていると蛇淵の滝コースを下山してきてから、菩提寺まで車道をてくてく戻るのが大変だし、時間がかかってしまうのが心配になり、このプランは止めることにした。

蛇淵の滝への林道入口駐車場にはトイレもある。ちょうど1台分だけ空きスペースか゜あった。
駐車場から林道を15分もたどると、ここにも駐車場があった。蛇淵の滝へはここら散策道がついていた。立ち寄ってみたが、わざわざ見るほどのものではなかった。道へ戻ってしばらく行くと、那岐山B・Cコースへの入口がありハイキングコースとなる。さらにわずか先でBコース、Cコースに二分する。右手のBコースを登り、Cコースを下ることにした。
Bコースはかなり上まで沢沿いを歩くため、殆ど飲み水には不自由しない。植林帯の中を沢音を耳にしながら上って行く。展望もない道がつづく。
これが最後の水場と思われる小さな沢をまたいだ先が五合目の標識、ようやくきつい登りとなった。人工林を抜けて潅木林に変ると、空が大きくなって急に明るくなった。潅木の梢越しに那岐山の山頂も見えてきた。
秋の日が降り注ぎ、黄葉をはじめた木々が映える。気持ち良い汗を流して、1時間半弱で菩提寺からのAコースと合流する稜線上へ登りついた。山頂で憩う人影が見える。
歩きいい稜線上の道を暫くたどると、やがて山頂からの人々の声が風に乗ってくるようになり、最後に小さく登ると那岐山だった。
山頂には何組ものハイカーが憩っている。寒風が吹き抜けて、たちまち汗の体が冷えてゆく。人々も寒さに襟を立て身を竦ませていた。山頂はさえぎる樹林もなく、思いっきり展望が広がっている。ただ中部山岳地帯のように目を引き付ける山岳展望のようなわけには行かない。どんぐりの背比べのような山々が特徴もなく連なっているに過ぎなかった。霞の中へ淡く溶け込みそうな背丈のある山がひとつ目に入った。『伯耆大山』である。 標高1710mは中国山地の雄で、日本百名山に中国地方で唯一選ばれた山。低山ばかりの中国山地の中では、やはり高さにおい群を抜いてい目立ったていた。
軽い昼食をとってから、すぐ隣に見える三角点ピークへ向かう。小さく下って登りかえすと、ほんの数分で三角点ピークに着いた。ここにもハイカーの姿が多かった。休憩舎やトイレなどが整備されている。 ゆっくり休むには、山頂よりこの三角点ピークの方が良さそうだ。もう一度展望を楽しんでから蛇淵の滝へのCコース下りについた。

下りは岩混じりのかなりの急坂ではじまる。一気に高度を下げてゆく。もう12時をとおに回っているのに、まだ登ってくるハイカーが結構多い。ハイカーと言うより服装は観光客だ。この那岐山も登山と言うより、観光気分で登れる山ということだろう。
三角点から15分ほど下ると大神岩という、展望の岩場に出る。眼下に那岐山の山すそがゆったりと広がっているのが見えた。
後は樹林の道をどんどん飛ばして、駐車場に戻ったのは1時20分。下りは50分で駆け下りてしまった。

これで今日も道後山、那岐山と2山を消化して、後は扇の山登山口への移動である。R53を智頭、河原町と走り、今度は郡家町から郡家国府線という県道へ入るのだが、郡家でその道がわからなくなって変な道へ入り込んでしまった。親切な若い奥さんに教えられてようやくめざす県道へとたどりついた。しかしその先がまた峠越えの細い道で、距離の割には時間ばかりかかって、いらいら運転がつづく。雨竜という集落で『河合谷高原』の大きな道標が確認でき、ようやく目的の河合谷高原への林道にたどりついた。
曲がりくねった林道をどんどん高度を上げて行くと牧場が広がっていた。扇の山登山口はまだ奥だった。