追想の山々1185  up-date 2001.11.13


冠 山(1257m) 登頂日1997.09.29 単独行
能郷===冠山峠(13.20)−−−冠平(14.00)−−−冠山(14.10-15)−−−冠平(14.20)−−−冠山峠(15.00)===奥越経ケ岳登山口へ
所要時間 1時間40分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
奥越の日本300名山、特急で往復
冠山


能郷白山を下山してから息つく間もなく冠山へと向かった。馬見峠を越え、さらに冠山峠へ自動車を疾駆。冠山峠に近づくと、車道からは特異というか奇峰というか、異彩を放つ頂の冠山が聳え立つのがうかがえた。標高わずか1200メートル余とは思えない高度感がある。山肌を削ぎ落としたように岩壁がそそり立ち、どうやってあの頂上へいたるのか案じてしまいそうた。
能郷白山登山口から1時間10分で冠山峠へ到着した。時刻は1時15分。

峠には数台の自動車が止まっていた。駐車場は広くスペースは十分ある。写真で見慣れた『冠山峠』の大きな石碑が建っている。ここかが昔徳山村であったことを示す『徳山村』の石碑も見える。駐車中の主は冠山へ登っている人たちだろう。途中で追い抜いてきた自動車の若い女性二人も、こんな時間から登るらしい。
峠への途中ウィンドガラスに一粒、二粒あたった雨粒も、たいしたことなく止んだ。しかし空一面に広がってしまった雲は、いつ雨を降らせるかわからない。雨が降り出さないうちにと思って、ただちに登山開始。
指呼の距離に見える山頂は、1時間もあれば往復出来るだろうと思ったが、歩いてみるとそう簡単ではなかった。
冠山をのぞむプロムナードからやや急な登りにつき、最初のピークが越前峠、この後コースは右に湾曲しながらブナ樹林の中を緩く上下して進んで行く。樹間から冠山の頂がのぞく。峠で見たときよりは、かえって遠くなってしまったように思える。1時間程度の往復は無理なことを覚る。

下山してくる何組かとすれ違った。雨だとぬかるみそうな所も何カ所かある。
かなり歩いたつもりだが冠山の頂はまだ先だ。最初軽く見ていた反動で、実際以上に遠く感じてしまうと言うこともあるのだろう。樹木は積雪の多さを示すように、雪圧で根元が地面に添って曲がっている。
やがて丸太で作った階段をしばらく登ると、峠から見てちょうど裏側に当たるところに冠平の平坦地が広がっていた。右手が山頂であることを示す標識が立っている。山頂へは岩場の急な登りとる。ロープが設置されたているので心配はないが、岩がむき出したかなりの急峻さで神経を使う。
標識から10分弱で山頂へ達した。山頂部は南北に細長く、三角点は南端にあったが、標石は根元まで露出して哀れな姿となっていた。石ころを50センチほどの高さのビラミッドに積み上げてあるのが山頂の印で、冠山々頂を示す標識もなかった。あいにく広がってしまった雲で展望の方は期待外れとなり、先ほど登ってきた能郷白山が確認できたのがせめてもだった。
写真だけ撮って山頂を辞す。
冠平から下って行く途中で、登ってくるあの女性二人と出会った。もう登ってくる人もないだろうと思ったのに、さらに若い男が一人登ってきた。
一日二山目となるとさすがに足は重い。雨に降られることなく、所用時間は往復1時間45分で峠までもどった。

日本三百名山の260座目となった冠山を、もう一度振り返り、1日2座に満足して次の目的地、経ケ岳登山口の奥飛越高原六呂師へと向かった。