追想の山々1186  up-date 2001.11.21


二岐山=ふたまたさん(1544m) 登頂日1991.08.24 単独行
御鍋神社入口(8.50)−−−登山道入口(9.05)−−−林道(9.30)−−−二岐山(10.05)−−−東峰(10.20-25)−−−二岐山(10.40)−−−林道(11.05)−−−御鍋神社入口(11.30)−−−御鍋神社見学===荒海山登山口へ
所要時間 2時間40分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
自然保護運動(ブナ林保護)原点の山・日本300名山

ニ岐山西峰
東北自動車道、浦和ICから白河ICまでは165キロ。一般国道を羽鳥湖経由で会津方面に向けて走らせる。二岐温泉への標識を見付けて国道から別れると、未舗装の狭い道になって山間へと進んで行く。数軒ひとかたまりとなった二岐温泉を抜けて道は荒れぎみの林道となる。谷沿いをさらに奥へと入って行く。御鍋神社入口に自動車4〜5台が止められる広場があって、ここに自動車を止めた。

好天の予報を信じて出て来たが、生憎と霧雨が降っている。山項だけ往復して来ることにして出発。
神社入口から林道を5分も歩くと、二岐山登山口の表示がある。ここからが登山道である。
登山道に入ると、すぐに『八丁坂、山頂まで100分』の表示が目につく。 樹相はアスナロ、ブナが主体の混生林、その中をかなりの急登がつづいている。
9時25分、急登が緩みアスナロの姿が消えてブナ巨木の純林に変って来た。9時32分、以前林道だった水平道にぶっつかるが、今は草が茂り、やがては道型も消えて自然にかえるのだろう。水平道を5分も進むと、再びじめ じめとした登山道にとりつく。霧で見通しは悪いが、視界の範囲内にほとんど樹木が見られず、やけに明るい。かつてここにはブナの美林が茂っていたが、皆伐が始まると同時に、自然保護団体による伐採反対の運動が高まり、ついに中断させたということだ。今いるあたりがそのころ伐採された跡だった。林道もそのときに作られたものだ。

皆伐帯を過ぎると再びブナの林となり、頂上への急な登りとなった。
樹林が切れて明るい潅木の尾根らしい所に出た。すぐ先が二岐山の山頂だった。霧雨で展望はまったくない。ウラジロヨウラクの花が雨に打たれて淋しげに咲いている。
二岐山は二つのピークを持っている。もう一つのピーク、東峰へ向かう。アスナロらしい枯木が白骨のように朽ちて、その根株が残っている。その大きさから推測して、かつてはこのあたり、アスナロの巨木が天を覆うように生い茂っていた時代があったのだろうか。まだ幼木とも言えぬほどのアスナロが育ちつつあるのが見えるが、大木の林となるには、あと何十年、何百年かかることだろう。
東峰手前のコルに笹平という札がかかっていた。コルから東峰まではほんのわずかであるが、かなり急な登りで、ロープがフイ ツクスされている。アスナロの木に、山上結婚の記念プレートが打ちつれられている。なかなか粋なカップルである。

東峰には小さな石の祠がある。天気がいいと会津の山々を眺める好展望台だというが、今日は乳白色の濃い霧に邪魔されてその片鱗もうかがえない。早々にもと来た道を引き返した。
下山して御鍋神社へ立ち寄ってみた。神社の軒先には大釜が吊されているが、いかなる由来があるのか。神社の由緒書きには『平将門、桔梗の前、平九郎を祭ってあり、将門が戦に破れこの地に逃れて来た・・・・云々』
二岐温泉で入浴してから明日登山予定の荒海山登山口まで会津街道を南下。会津田島町から荒海川に沿った林道をたどって、八紘鉱山跡にテントを張った。