追想の山々1197  up-date 2001.11.25

余市岳(1488m) 登頂日1995.08.10 単独行
ニセコ===常盤林道終点(8.45)−−−見晴台(9.50)--- 余市岳(10.35-40)−−−見晴台(11.15)−−−林道終点(11.55)===富良野へ
所要時間 3時間10分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
大千軒岳・駒ケ岳・狩場山・ニセコアンヌプリ・余市岳・富良野岳・夕張岳・札幌岳
5回目の北海道山旅(道内9泊)=58才
余市岳一等三角点


ニセコプリンスホテルを6時15分に出る。雨こそ降っていないが、空模様は相変わらずの雨雲り。

渡道5座目の今日は余市岳である。
国道5号線を倶知安町から赤川村へ向かう。登山口となる林道は、赤川村常磐からキロロへの標識が目印となる。キロロは最近開発された大規模リゾートで、よく目立つ案内表示か出ていた。キロロリゾートへ向かってしばらく走ると、たちちまち深い霧となってしまった。リゾートには近代的な建築物が並んでいるが、霧の中にかすんでいる。舗装道が錯綜しているが地形の全体感がつかめず、林道への取りつきがわからない。視界20メ〜トルもない霧の中を、感で自動車を進めると、うまいこと林道へつながった。
末舗装の林道を上って行くと、霧が薄くなり、視界がよくなって来た。 途中のニ又は右の道を進む。スキーリフトの広場があって林道終点、ここが余市岳への登山口だった。標高はすでに850メー トル。余市岳へはキロロリゾートからゴンドラを利用するコースができたという。これを利用すると前半のきつい登りを省略できる。今日はゴンドラ関係なしのこの林道終点から、旧来のオーソドックスコースを登る。

そぼ降る雨に、妻はここで待っているという。
登山道入口には登山届のポストがある。しばらく沢沿いのだらだら道を行く。雨模様のブナ林は熊でも出そう な不気味さがある。『熊に注意』の看板も目について一層気味が悪い。
沢をまたいでさらになだらかな道がつづくが、やがて胸を突く急登に変った。

余市岳山頂
案外簡単に稜線まで登りついてしまった。ガスでよくわからないが、このあたりが飛行場と呼ばれる広大な平坦地だろうか。笹や潅木の登りをたどると、笹藪を切り開いたゴンドラからのコースが左手から合流していた。見晴台と呼ばれ、飛行場の最高地点のようだ。勿論ガスで見晴らしどころではない。
後はたいした登りもないまま、もうすぐ山頂かと思ったが、この先まだ厳しい登りもあったりして、さらに1時間以上かかった。

さて見晴台を緩く下って鞍部に着くと、ここから急登がはじまる。もうたいした急登はないと、たかかをくくっていたので、思わぬ急登にとまどう。岩まじりの小沢のような道を、ペースを上げて登って行 く。なかなかきつい登りだが、ここも休まず登り切ると、広場のような ピークがあった。石祠やお地蔵さまなどが置かれていた。山頂かと思ったら、三角点は右手に直角に折れ、ハイマツをくぐったりしてまだ先だった。
ハイマツのトンネルを抜けると、白骨化したハイマツ帯が広がっている。山火事の残骸である。去来する霧の先に皿を伏せたような円項が見えてきた。それが余市岳ピークだった。
背の低いハイマツ以外、視界を閉ざすものは何もない。天気がよかったら素晴らしい眺望が楽しめただろうに残念なことだ。一人待つ妻を案じて早々に山頂を後にした。
お地蔵さまのピークで妻との無線交信をして見たが、感度が悪くてつながらなかった。霧のような雨が降りつづいたが、蒸れるのがいやで、雨具も着ずに濡れるにまかせて歩いた。この雨はいつになったら上がるのだろう。連日の雨に、いいかげんうんざりしてきた。

この後、明日登頂を予定している富良野岳登山口の十勝岳温泉へ自動車を向けた。