追想の山々1200  up-date 2001.11.25


札幌岳(1294m) 登頂日1995.08.13 妻同行
豊滝登山口(12.50)−−−山小屋(14.00-05)−−−札幌岳(15.10-20)−−−山小屋(16.05)−−−豊滝登山口(16.55)
所要時間 4時間05分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
大千軒岳・駒ケ岳・狩場山・ニセコアンヌプリ・余市岳・富良野岳・夕張岳・札幌岳
5回目の北海道山旅(道内9泊)=58才
冷水小屋


昨日は、この山旅最後に予定していた夕張岳を無事登頂して、ほっとした気分で桂沢キャンプ場に泊まった。

予定の山をすべて終ってしまい、あとは計画もない。明日の夜小樽を出港するフェリーまで、丸二日間の空き時間ができた。桂沢キャンプ場をゆっくりと引き払って札幌方面へ向かった。三笠市内へ入ると、なぜかまたまた雨となり、雨脚も激しい。今夜は定山渓周辺のキャンプを予定していた。定山渓先の豊平峡にある青少年キャンプ場に着くころには幸い雨もやんだ。

時刻は12時半、雨も降らない午後の半日を無為に過ごすのはもったいない。貪欲にも山旅を締めくくるという名目で札幌岳へ登ることにした。予定外の山だったが手元の資料で間に合った。
急げば往復3時間半〜4時間で往復可能のようだ。テントだけ設営して出発した。
登山口は冷水トンネル手前の広場にあった。「札幌岳登山口」の立派な表示も立っている。自動車も3台あって、登山中の人もあるようだ。 札幌近郊人気のハイキングコースとして、登る人も多い山だという。 東京で言えば奥多摩か丹沢といったところか。広い道はよく整備されている。
運が良いと山頂から羊蹄山を眺められるかも知れないという期待があった。

ゆるい勾配がつづいて、歩いた距離の割りには高度が稼げない。案外時間がかかってしまうかもしれない。エゾマツが整然と植林されている 光景が珍しい。ひと組み、またひと組みと下山して来るグループに会う。
沢をまたいで左岸に移ってからも、なお平坦な道がつづく。
1時間10分以上歩いて冷水小屋に着く。かせいだ高度はわずか300メートルにも満たない。妻にとってもここまでは楽なコースだ。引水が勢いよく溢れている。しかし生水は飲むのが恐い。冷たい水をすくって汗で濡れた顔を洗う。
さて小屋からは一変して、目を覚まされるような急登に変った。一歩一歩攀じるような急登に汗がしたたる。時刻も遅いのでのんびりとは歩いていられない。下山してきた中年3人の男女に「これから山項までいくのですか」と、 けげんな顔をして聞かれてしまった。たよりない初老の夫婦連れと見られたのだろう。
妻に声をかけ厳しい急登を登りきると、ようやく一段落して平坦になった。もう項上も近いかと思ったが、まだこの先、歩きでかあった。ぬかるんだ箇所を何カ所か通り、沢状の湿っぽい道になって、岩交じりの急な坂を登り詰め、山頂到着は3時10分。
札幌岳は一等三角点、展望の山。しかしその細長く広い山頂は濃霧に取り巻かれていた。冷たい風が吹いている。下は薄日の射すような天気だったのに、やはりついていない。期待の羊蹄山もどこにあるのか、濃い霧の彼方に身を潜めている。ほんの一瞬、雲間から市街が見えたが、それは札幌の街だったのか。

夕暮れの時間を気にしながら、下山を急いだ。
結局往復4時間近くを要した。ちょっと甘く見すぎたようだ。私はともかくとして、妻には午後1時近くに出発して、標高差900メートルの山を登れたのは、よくやったというべきだろう。
せっかくの機会だから、有名な定山渓温泉で汗を流したいと思ったが、 どこも断られてしまった。しかたなくキャンプ場近くの豊平峡温泉に1000円を払って入浴、汗を流す。

翌日は小樽観光を楽しんでから夜のフェリーで新潟港へと向った。