追想の山々1202  up-date 2001.11.28


奥三界山(1810m) 登頂日1992.11.22 単独行
加子母村青少年旅行村===付知村夕森公園竜神キャンプ場===林道ゲート手前(15.00)(泊)
林道ゲート(6.00)−−銅穴の滝−−−林道(7.10)−−−林道三又−−−林道終点小屋(8.05)−−−奥三界山(9.15-25)−−−休憩−−−林道終点(10.30)−−−三又(10.40)−−−林道から竜神滝への降り口(11.00)−−−竜神の滝(11.55)−−−ゲート(12.00)===南木曽岳登山口へ
所要時間 6時間00分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
木曾・東農の300名山3座を登る=55
中央アルプスをのぞむ


小秀山を登ってから、奥三界山登山口へ移動。川上村(カワウエ)から大きな道標を見て夕森公園への村道を走ること約15分、日差しの戻った明るい夕森公園へ到着。夕森公園周辺には3カ所のキャンプ場がかたまっている。さる案内書に載っていた、8合目まで自動車が入れるという林道を探して車を走らせてみたがはっきりしない。だいいち8合目まで自動車で入ってしまっては、登山の味が薄れてしまう。それに明日は間違いなく素晴らしい登山日和になりそうだ。下からしっかり歩いて登ろう。

『竜神の滝』周辺は整ったキャンプ場となっており、その奥で車道はゲート封鎖されていた。ゲート前も駐車できる広場で水場もありいいテントサイトである。ここにテントを設営した。
風も治まり上空は紺碧に変わっていた。
日が落ちると待っていたように寒気が忍び寄って来た。西の空が、明日の好天を約束するように真っ赤に焼けていた。夜明け近く、頭上は降るような星空。
5時起床、餅粥の朝食をとり、テントを畳むころ足元が明るくなって来た。
6時に出発。今朝はこの冬一番の寒さで、暖かい地方でも初霜の便りが届いたという。ゲートを抜けてしばらくは寒さの突き刺す夜明けの林道を川上川に沿って遡る。15分ほどて銅穴の滝、地図ではここから山腹を絡む急登を登ることになっているが、道標はそのまま林道の先を指している。滝から10分弱で林道と別れて山道へ入った。一度川上川の谷へ下り、霜で真っ白になった木の橋を渡ってすぐ、桧植林の急登に取りついた。足に気持ちいい、ふかふかした落ち葉を踏んで、じぐざぐに300メ ートルの高度を一気に登り切って林道に飛び出した。延々と伸びる林道 が見通せる。これを歩くのかと思うとうんざりするような長い林道だ。この林道は私の足でも2時間はかかると見ていたが、実際には1時間もかからなかった。                  
水たまりが堅く凍りついている。ストックで突いても簡単に割れないくらい堅い。朝日が林道に届いて来た。
よく手入れされ、乗用車でも楽々通行できる林道だが、やはり通行禁止になっているのだろうか。立派な橋を渡った先の三差路で左手に別れる林道へ戻り加減に入って行く。この支道はかなり荒れてジープでも難儀しそうだ。支道へ入って15分で林道は終点となり、作業小屋建っていたむ。宿泊もできそうだ。

笹の山道へ取りつく。霜柱の足場の悪い取りつきを這うように登ると、 あとは笹の道が気持ち良くつづく。
カモシカ避けの有刺鉄線が回らされ、登山者用に開き戸がついている。雪山が見えて来た。中央ア ルプス南部の山々だ。ここまで来ても奥三界山はまだ見ることができない。登山コース中、一度も奥三界山の姿を見ることができない。
源頭の流れをしばらく遡って行くと、流れも消えて尾根上に出る。笹原から、桧やシラベのみごとな樹林に変わった。樹林の切れ間から中央アルプス、そしてその後ろには南アルプス南部の山々も見える。双耳の目立つ山は池口岳だろう。それに光岳、茶臼岳等も確認できる。 小さな湿原様の平地に夕森公園の標柱がある。再び黒木樹林に入ると幾つかの池がみんな凍っている。
池からひと登りすると奥三界山の頂上だった。三等三角点標石が中央にある。山頂は黒木に囲まれて展望はない。木々を透かして覗いて見ると、西方に連なる山々が見える。その中に昨日登った小秀山もあるのかもしれ ない。遠く白い加賀の白山がはっきり見える。

山頂から少し下ったところでスケッチをして下山の途についた。
せっかくの快晴に恵まれながら、山頂の展望がなかったのは残念だった。下山路正面に恵那山の巨体がどっしりと根を張り、その左には大川入山が並んでいた。
往復8時間と読んでいたが、6時間で自動車まで戻ることができた。
竜神の滝を見物したりして次の南木曽岳登山口へ向かった。