追想の山々1203  up-date 2001.11.28


南木曽岳(1679m) 登頂日1992.11.23 単独行
駐車場(5.40)−−−登山口(5.50)−−−喉の滝(6.15)−−−南木曽岳(6.55-7.00)−−−見晴台−−−三留野コース分岐−−−摩利支天−−−登山口(8.00)−−−駐車場(8.10)===東京へ
所要時間 2時間30分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
木曾・東農の300名山3座を登る=55
南木曽岳


国道19号線と別れて清内路峠への途中から南木曽キャンプ場へ通じる狭い道をたどると、20分前後でキャンプ場を通過し、南木曽岳登山口の駐車場へ着いた。駐車場脇には南木曽岳山麓避難小屋が建っていた。板敷きの部分もあり、中は奇麗で窓ガラスもついて、一晩を過ごすには格好の小屋である。今夜はテントを張らずにこの小屋に寝ることとする。早速シュフなどを運びこんだ。

明日は三連休の最終日、高速道上りは行楽帰りの自動車の大混雑が目に見える。できる限り早く出発して渋滞の前に帰京したい。
雲の多い空模様だ。いくらか白み始めたものの、まだ足元も定かとは言えない6時少し前、南木曽岳へ向けて出発した。
遊歩道を抜けて林道に合し、 懐中電灯で足元を照らしながら、沢沿いを緩く登って行く。6時を過ぎると空が白んできて、山の頂がはっきりと姿を現わす。険しい岩山の様相が手に取るようにうかがえる。
大岩の点在する中、整備された登山道はよく踏まれて歩きいい。道はY字に分かれる。Y字の右は下山時に使う予定の道で、ここでは左手の道を取る。
ようやく道は傾斜を強めて来た。
岩屋を過ぎ、『喉の滝』という案内板あたりで、すっかり夜が明けた。 さほど深い山中ではないが、原生林の幽玄さを漂わせている。登山道は南面の山腹を直線的に突き上げていた。この先、さらに登山道は険しさを増してきた。木の根を掴み、岩角を踏ん張って胸突く急登を挙じる。森閑とした山の中を黙々と足を運ぶ。
岩場でニカ所の鎖場を越えると、右手に険しく聳えるる岩峰が迫って見える。南木曽岳に並ぶ摩利支天である。
早く下山したい気持ちにせかされて、足を休めることなく山頂を目指す。
標高差700メートル、休憩なしのワンピッチで頂上に達してしまった。コースタイム2時間の半分だった。
三角点の山頂は樹木に閉ざされて展望はない。三角点のすぐ先に露岩の見晴台があった。南面が大きく開けていたが、 恵那山が正面に雲をいただいて聳えているのが見えるのみだった。

下山は避難小屋から摩利支天経由のコースを取った。
霜の凍りついた深い笹を分けて行くと、三留野コースを左に見送る。 南木曽岳の北側は、南面の険しさからがらっと変わって、穏やかな起伏に笹原が広がってゆったりとした景観を見せていた。北方が開けて、天気がよければ御嶽や奥三界山が展望できるだろうに、今日は雲の中であ る。
凍りついた道をたどって小さな鞍部に下ると、右手の笹の中に避難小屋が見える。もう一度登り返しすと今度は東方の展望台である。眼前には中央アルプス南部の摺古木岳、そして南アの展望があるはずだが、今日は目にすることができない。
期待の展望には恵まれなかったが、今回の山行予定の3座を無事登り 終わったことに満足して、駐車場まで急坂を一気に駈け下った。
往復4時間のコースを2時間で歩き切り、8時半には自動車を東京に向けて出発できた。