追想の山々1204  up-date 2001.11.29


女峰山(2464m) 登頂日1991.09.07 単独行
東京(2.00)===霧降高原(5.10)−−−第一リフト終点(5.30)−−−キスゲ平(6.00)−−−焼石(6.30)−−−赤薙山−−−奥社跡(7.30)−−−2209mP(8.10-15)−−−女峰山(9.10-30)−−−2209mP(10.15-20)−−−奥社跡810.50)−−−赤薙山(11.20)−−−キスゲ平(11.55)−−−霧降高原(12.30)
所要時間 7時間20分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
日光連山の最高峰=(54才)
女峰山

日光連山には日本300名山が4座ある。女峰山もその一つである。(ほかに男体山、太郎山、奥白根山)

日光道路に入ると雨だった。霧降有料道路は、雨に加えてひどい濃霧、自動車のライトも役に立たないほどで、のろのろ運転を余儀なくされる。高度が上がると、幸いにも霧はだんだんに晴れてきた。
夜明けを迎えた霧降高原駐車場に着くころには、青空も見えはじめた。駐車場には一台の車もなくがらんとしている。
台風が近づいているので、影響が出ないうちに早く山頂を往復して来よう。
5時10分、駐車場を後にして、道路下のトンネルをくぐると、登山道表示が出ている。笹や潅木が、夜来の雨でたっぶりと雨滴を蓄え、衣服がたちまち濡れてくる。ここには観光リフトがあって、運転時間中ならリフトを利用することもできるが、朝5時では無理だ。20分で第一 リフトの終点に着いた。売店などの建物があるが、ひっそりとしている。樋から落ちる水を水筒に詰めて、第二リフト沿いのやや急になったコースを行く。雑木林の林床は、ここも露を含んだ笹である。
リフト終点の先が標高1635メートル、キスゲ平で丸山への分岐になっていて展望にもすこぶる恵まれている。しかし今日は視界が芳しくない。キスゲ平からは笹原の中を赤薙山への登山道が一筋切り開かれているのが見える。笹原の先にはダケカンバが点在し、その向こうに見える稜線が赤薙山である。下界はびっしりと分厚い雲の層を作っているが、頭上には青空 が広がっていた。上空の雲は秋の雲だ。
キスゲ平で5分休憩の後、赤薙山へ向かう。笹原の露を杖で払いながら急登を行くと、火山礫の散乱した荒れ地が焼石金剛で、この先からコメツガの樹林へと入って行 く。コメツガの原生林は木の根が縦横に絡み合って歩きにくいが、道は明瞭でどんどん高度を稼げる。2箇所ほど稜線の露岩を通過、赤薙山から女峰山の展望がいい。稜線をからみながら着いたピークには「奥社跡」の表示がある。

赤薙山、奥社跡などがこんがらかって現在地が確認できなくなってしまった。
大きく下ってから、沢状の滑りやすい登りにかかる。
けっこうきつい登りで、一汗かいて立った露岩のピークは、広々として気持ちいい。素朴な石仏には「大山神命」とある。ここが奥社跡だろうか。(ここは奥社跡の先にある2209メートルピークだった)如峰山とこれから辿る稜線がよく見える。
女峰山への稜線に取り付くには、この露岩のピークから一度急降下し なければならない。
がら場を急降下してから登り返すと、しばらくは女峰山へ向かってたいした上下もない稜線通しの道が続いている。途中ダケカンバの老木帯 があって、曲がりくねった樹幹が目を引いた。
大株のシャクナゲが目立つ稜線を気持ち良く足を運ぶ。行く手にようやく女峰山の山頂が見えて来た。コケモモやブルーベリーが赤、紫に熟れ実っているのを見付けて早速頬ばってみる。コケモモは少し苦みが残るが、ブルーベリーはなかなかいける。

山頂への最後の急登を攀じった。山頂直下には立派な社が建てられており、リンゴやナシが供えられていた。社のすぐ上がピークで、女峰山と書かれた一本の柱があろだけで質素な頂だった。
いつもながら頂上に立った瞬間の喜びは大きい。
期待の展望は芳しくない。男体山、奥白根山が見えたが、5分後には雲の中に隠れてしまった。
会津方面の山々には、梅雨どきのような湿っぽい雲がまとわりつき、山j容の確認はできない。狭い山頂に腰を下ろして一休みしている間に、下から勢いよく昇って来るガスにたちまち視界は閉ざされ、青空も消えてしまった。

天気を気にして、20分の滞頂で下山にかかる。
山頂から2〜3分下ったところに、登りでは気付かなかった三等三角点があった。
奥社跡を過ぎると雨が降りだした。
露岩で休憩しているパーティーに赤薙山の山項を尋ねると、登山道から少し入ったところにあると教えられる。雨は本降りとなって来た。雨具を着けて赤薙山の山頂へ向かう。山頂は登山道からそれて3分ほど行ったところにあった。のっペりとした平らな尾根の途中に、10平方メートルもない狭い切り開きがあり、そこに三角点があった。樹林に囲まれて展望はない。
焼石金剛まで下って来ると、幸いにも雨は上がった。

キスゲ平から観光リフトも運転されていたが、登山道を駐車場まで歩いて下った。