追想の山々1237  up-date 2001.12.23


七ケ岳(1636m) 登頂日1991.06.09 単独行
喜三郎小屋(3.55)−−−章吾橋登山口(4.10)−−−二股平滑沢取付(4.35)−−−尾根取付(5.05)−−−七ケ岳(5.35-6.00)−−−章吾橋登山口−−−喜三郎小屋(7.15)
所要時間 3時間10分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
南会津の名峰・日本300名山=54
一番岳から下岳方面を見る


登山口はいくつかあったが、アプローチの一 番便利な田島町程窪沢沿いに入るコースにした。
昨日帝釈山を登ってから、会津鉄道「七ケ岳登山口駅」のある会津田島町羽塩平から、七ケ岳の標識にしたがい林道に入って10分も行くと、広い空き地に出た。そばに『喜三郎小屋』という草葺き屋根の一軒家が建っている。廃屋といいたいような古ぼけた佇まいに反し、庭や植栽はよく手入れされてい た。
テント設営を終ると、喜三郎小屋の主が話しかけてきた。この草葺屋は、出作り小屋として使っていた建物だと教えてくれた。今は七ケ岳登山者に頼まれて利用させているとのことだった。あたりが薄暗くなっても、まだ小鳥や蝉の声が途絶える事な くつづいていた。

ほのかに明るさを感じるころ目覚める。3時50分七ケ岳に向かった。
昨日確認しておいた登山コースは、自動車道をショートカットするようにつけられている。章吾橋をわたったところで自動車道と別れて、工事中の林道に入る。林の中は黎明も届かず足元もおぼつかないほどに薄暗い。
しらしらと明けていく中に白樺の木立が際立つ。工事中の林道も10分余で終わり、細い登山道に導かれて行く。 渓流を渡り、樹林を進むと、小沢が二股に別れる地点でコースを右にとる。ここが平滑沢の取り付きのようだ。じめっとした陰気なム ードの沢は滑滝となって流れ下っている。靴を濡ら さないように右、左と水を避けて登って行く。蛙の声が流木の下で聞こえる。
足場の悪い箇所や滑りそうな岩もあったが、いつか涸沢となって水は伏流し、沢の詰めも近くなったようだ。
踏み跡が左手の山腹にかけ上っている。沢を離れて樹林帯の急登に変わり、ぐいぐいと高度を稼いで行く。やがて岩の間を擦り抜けたりするようになると、頂上に近づいたことがわかる。。
胸のつかえるような急勾配の潅木帯から抜け出ると、そこが稜線で、高杖や針生方面からの登山道の交差する岩稜であった。七ケ岳山頂へはその岩稜を踏んで僅かに登った所だった。岩稜から山頂にかけてスミレ、ツマトリソウ、コイワカガミ、サラサドウダンな どが咲いていた。
5時半、七ケ岳最高点の一番岳に到着。1636メートルの山頂は風が冷たい。展望が売り物の山頂も、朝もやにほとんど眺望は効かない。那須、塩原山群、それに日光と思われる薄い山影が望めるくらいだった。
下山は登って来たコースをそのまま引き返した。