追想の山々1240  up-date 2001.12.27


黒姫山(2053m) 登頂日1982.09.15 職場親睦山行
長野駅〓〓〓黒姫駅−−−苗畑−−−シナの木−−−七曲り−−−黒姫山−−−大ダルミ−−−西登山道−−−戸隠大橋===バスで長野市へ
所要時間 約8時間 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
手術以前・25名グループのリーダーとして=45
野尻湖と黒姫山


長野支店に勤務していたころ、まだ癌とは無関係でマラソンにのめりこんでいたときに登った記録です。
登山の「と」の字も知らないのに、リーダーらしい顔をして立案、よくも25人の大部隊を引率して登ったものだと思う。無知だから出来たのです。参加者は全員職場の同僚とその家族でした。

黒姫駅までは列車。駅から歩きはじめました。なにしろ全員が素人の集団です。七曲りを経て表登山道で山頂へ、下山は西登山道を下って戸隠高原大橋へ出るというコースです。素人集団にはけっこうハードなコースです。
黒姫山は別名を信濃富士とも呼ばれ、富士山と同じコニーデ火山で端麗な姿は妙高山の雄姿と肩を並べて覇を競っている山です。

この大パーティ、とにかく大変でした。体力は千差万別、子供から年配者まで。ときには最後尾で様子を見、また先頭へ走って休憩や出発を指示し、その合間に8ミリカメラを回し、後で考えて見れば行ったり来たりで私は3、4割は余計に歩いたと思います。
苗畑を抜けて登山道らしくなってきました。植林帯を過ぎ根曲がり竹の群生するシナの木で第一回目の休憩。まだ先頭から最後尾まで大体つながって歩いています。この先七曲がりを過ぎると本格的な急登となります。大きいじぐざぐの七曲がりは次第に勾配がきつくなってきて、やがてブナの樹林帯に入ると遅れる人が出てきました。予定外に小休止。
前後の間隔が知らぬ間にどんどん開いてしまいます。気がつくたびにトップのペースを押さえるのが大変です。何回も小休止、大休止をとりながらも高度を上げ、シラビソの樹林に変わって来ると頂上はもう一息。通常の私のペースの倍以上の時間がかかっています。
最後に岩や木の根をからむ急登を喘ぐとようやく火口の外縁に登りつきました。コメツガの中をひと歩きすると2053メートルの頂上。薄雲が広がり楽しみにしていた眺望はだめでした。
火口原に降りて昼食。小笹におおわれた原は気持ちいい。 時間の遅れが気になりますがしばらくの休憩の後、七っ池、大池から西登山道への下山の途につきました。
かなり疲労した様子が見えますが、予定の時間までに戸隠まで降りないと、チャーターしたバスに間に合わなくなるおそれがあります。帰ってしまわれたら大変です。急ぎたいのですが、全体のピッチは思うように上がりません。コースをよく説明して引率を別の人に頼み、私は一人チャーターしたバスの確認に山を駈け下りました。

約束の場所にバスを見付けて一安心。運転手には少し遅れることの了解をとり、あわせて歩く所を少しでも滅らせるよう1キロほどバスを移動して待機してもらう手筈を整えてから、再びパーティを迎えに戻りました。
途中ちょっとわかりにくいところもあり心配しましたが、全員無事に下ってきました。しかし疲労の度がかなり強い人も何人かあります。励ましながら後になり、先になりしながら気がもめる下りでした。
登山道が広くなり、傾斜もゆるくなってきたころ下の方に自動車道が見えてきました。ようやくゴールです。
やっと終った。みんなのほっとした顔々々・・・・・歩き終わって見れば苦しかったことはすぐにどこかえ消えてしまい、一つの事を成し遂げたという充実感だけが、全身に湧き上がるのはだれでも同じです。
西に傾いた秋の陽をバスの窓ごしに見つめ、温かい風呂で汗を流し、喉を通る冷たいビールの味でも思い描いているでしょう。
今日は私も疲れたましたが、みんなに楽しい一日を提供できた満足感が爽やかでした。
2003.11.07の山行記録はこちらへ・・・登りは大橋から新道コース、下りは西登山道コースから大橋へ。