追想の山々1252  up-date 2002.02.04


八幡平(1614m) 登頂日1990.06.16 単独行

茶臼岳(1578m)  源太森(1595m)
東京(23.10)==夜行バス==盛岡駅(6.15-59)〓〓〓大更駅(7.37-8.28)==バス==茶臼口(9.30)−−−茶臼岳(10.05)−−−黒谷地−−−源太森(11.10)−−−八幡平(11.40)−−−見返峠(11.55-12.34)==バス==松川温泉
所要時間 2時間25分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
霧と小雨の中を、一人うつむいて歩く=53
黒谷地のミズバショウ


夜行バスは、予定より早く6時15分、夜明けの盛岡駅前に到着。6時59分発鈍行の大館行で大更へ向かう。大更駅で八幡平行のバスまで51分の待ち合わせ。この間に松川温泉に電話で今夜の宿泊を予約する。松川温泉へは裏岩手を縦走して行くつもりだというと、雨が強く降っているから無理ではないかという。
バスの乗客は地元のおばさんが二人だけ。いくつ目かの停留所で相次いで降りて、あとは私一人だけになってしまった。強風に霧が激しく去来し、車体が風に押されるのが感じら れる。「荒れ模様だなあ」気持ちが揺ら ぐ。裏岩手を縦走して松川温泉まで歩くのはやめたほうが賢明だ。

茶臼口でバスを降りる。強風は唸りをあげて木々を揺るがしているが、 雨の方はそれほどひどいことはない。雨具を身につけ完全装備で八幡平頂上を目指す。登山道はバス停すぐ先の右手にあった。30分も登ると平坦になって、霧の中に茶臼避難小屋があった。茶臼岳山頂へ足を延ばす。アオモリトドマツの雨滴を浴びながらたどると、すぐに切り開かれた頂上だった。本来は八甲田、鳥海 、岩木山等の山々と再会できる筈が、今日は強風吹き抜ける霧の山頂だった。
小屋に戻り、雨水の流れる道を下ると黒谷地湿原で、木道が敷かれ、池塘の縁にはミズバショウの花が見られる。湿原いっぱいに咲き競うのはヒナザクラ、そしてチングルマも花期を迎えていた。
しばらく花々に見とれたあと、赤土や岩礫の登りをゆっくり行くと、源太森の表示のあるアオモリトドマツの樹林を越して、再び霧の中に湿原が浮かび上がる。八幡沼周辺の湿原である。湿原の荒廃がうかがえる。泥炭層が剥き出したところも多い。池塘が点在し、高山植物の宝庫という感じである。

左手にエメラルド色の八幡沼を見下ろして、木道から石畳みに変った遊歩道を行くと、八幡平頂上はすぐだった。丸太で組み上げた立派な展望台に上って見たが、霧で何にも見えない。三角点を探してみたがわからなかった。
記念写真を撮ってから遊歩道をバ ス停の見返り峠へ下った。
レストハウスのストーブに当たっ て30分程待つと、おりよく松川温泉行きの直通バスが来て、これに乗って八幡平を後にした。

(2000年の夏、見返峠から畚岳、諸桧岳を往復しました)