追想の山々1273  up-date 2002.01.27

高ボッチ山(1665m)〜鉢伏山(1929m) 登頂日2012.11.08
鉢伏山荘から鉢伏山々頂を往復・・・・所要40分
 
 鉢伏山山頂付近からの美ケ原高原台地
鉢伏山荘まで車。

吹きっさらしの冷たい北風の中を山頂へ。
北アルプスの展望を期待しての立ち寄りだったが、ずかに常念岳が見えるのみ。
しかし目の前の美ケ原高原台地の方は明瞭だった。その山腹はカラマツの黄葉が今まっ盛り、黄金色に染め抜かれた眺めはなかなかのものだった。
美ケ原に並んで目立つ山がある。堂々たる姿を見ていると、いつかは登らなくてはという気分にさせられる。

鉢伏山のあとはまた車で移動して高ボッチ山へ。駐車場からほん少し歩けば山頂、ここも北アルプス展望台として知られるビューポイントだが本日は姿を見せてくれなんかった。



高ボッチ山(1665m)〜鉢伏山(1929m) 登頂日1991.06.02 妻同行

高ボッチ国民宿舎前(7.00)−−−高ボッチ山(7.25)−−−崖の湯分岐−−−横峰−−−鉢伏山(9.25-30)−−−横峰−−−高ボッチ国民宿舎(10.50)
所要時間 3時間50分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
小雨煙る新緑のハイキング=54才

正面に美ケ原台地を見ながら
       北アルプスの展望台として美ヶ原から鉢伏山、高ボッチ高原にかけての高原台地がよくあげられる。
       鉢伏山も何回か訪れているが、これは妻と歩いたときのものである。
       梅雨入りが宣言されて高原は小雨模様。雨の高原散策もまた風情がありそうな気がして出かけた。

       高ボッチ高原は濃い霧に包まれていた。コースは国民宿舎の広場に自動車を止めて高ボッチ山から鉢伏山までの往復。
       新緑に萌え始めた木々の梢は、小ぬか雨に濡れて一層鮮やかさを増し、牧場にはのんびりと若草を食む牛の姿がある。
       舗装道路を10分ほど歩いた先のパラボラアンテナから、小径に入って高ボッチ山の山頂に立った。深い霧で北アルプ
       スの大展望も今日はお預けである。

パラボラアンテナまで戻って、舗装道路をのんびりと鉢伏山へ向かう。雑木林の芽吹きが柔らかく目に染みる。ひと口に緑と言ってもその多様さには驚く。淡い緑、萌え黄、赤みのさした緑、くすんだ緑、落ち着いたオリーブ色など、微妙な変化は秋の紅葉にも劣らない。
舗装道から自然散策道に入り、カラマツの林を行く。小鳥の啼き声が四方から賑やかに降りそぞく。塩尻峠からこのあたりにかけて、著名なバードウォッチングのエリアでもある。
鋪装道路と散策路を、出たり入ったりしながらゆっくり高度を上げて行く。
いっとき霧が切れて、遥かに北アルプスが青いシルエットで姿をあらわした。乗鞍、常念、大天井、鹿島槍、白馬岳と連なる。

広闊な高原が大きく波打つように鉢伏高原へ起伏、蛇行する舗装道をいく曲がりもして、鉢伏山荘まで来ると、あとは柵に沿って登って行けば鉢伏山の山頂だった。
ほとんど雨は上がった。一等三角点のそばに腰を下ろして目の前の美ヶ原高原をスケッチ。浅間山が意外に明瞭で煙が真っすぐ昇っている。蓼科山、八ヶ岳、遠くかすかに雲に溶け入りそうなのは妙高山。
初夏とは言え2000メートルの高原は肌寒かった。

帰りは同じ道をたどって国民宿舎駐車場へ戻った。何とかもっていた天気も、帰りは傘をさすほどの雨となってしまった。
2001.05.19 鉢伏山 単独行
高ボッチ山荘(12.00)−−鉢伏山荘(13.00)−−−鉢伏山(13.15-25)−−−高ボッチ山荘(14.20)

高ボッチ山荘前の広場に自動車を止めて、舗装された鉢伏林道を鉢伏山に向かい、てくてくと歩き始める。
高ボッチから鉢伏山にかけての標高千数百メートルの高原一帯は、今芽吹きが始まったばかりだった。

歩いていてとりわけ目を引きつけるのは、成熟したカラマツの林。いかにも気持ち良さそうにまっすぐに延びた幹は、幾何学的な美しさが漂う。同じ針葉樹林でも杉や檜の人工林と比べると、明るく快活な雰囲気に包まれて、気持ちまで引き立たせてくれる気がする。いつも思うのだが、新緑と黄葉の王様はカラマツの林ではないだろうか。
今芽吹いたばかりのカラマツの緑は、濃すぎもせず、薄すぎもせず、実に清廉潔癖な色をしている。私はこのカラマツの芽吹が大好きだ。

8キロ近い林道歩きも、目を洗われるような新緑を眺めていれば退屈も感じない。 天気が良いと、さらに北アルプス展望の楽しみが加わることになるが、今日は鍋冠山などアルプス前衛の山しか見ることが出来なかった。

鉢伏山はこれが4回目になるのだろうか。いつ来ても気持ちを和ませてくれるおおらかな山である。二等三角点の標石は、かなり傷んで小笹の中に佇んでいた。
この鉢伏山は日本300名山でもある。松本の盆地を挟んで東に鉢伏山、西には鉢盛山という山容も名前もよく似た300名山がある。その鉢盛山は、春霞に溶けるようにして薄墨色にぼやけていた。