追想の山々1296  up-date 2002.03.02


比叡山(848m) 登頂日1998.12.12 単独行
京都駅==バス==修学院道(8.30)−−−きらら坂碑(8.50)−−−水飲対陣跡(9.25)−−−ケーブル駅(10.00)−−−四明山−−−大比叡(10.40)−−−根本中堂(11.20-30)−−−JR坂本駅(12.40)〓〓〓京都駅〓〓〓奈良へ
所要時間 4時間10分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
日本300名山の299座目=61
山頂駐車場付近から


放射冷却が効いて冷え込んだ。
近鉄線を利用して奈良から京都へ向かった。夜が明けてくると、車窓の田園には霜が真っ白に降りている。今日は良い登山日和となるだろう。

日本三百名山299座目は比叡山となった。緊張を強いられるような山はすべて終わり、実質的にはすでに三百名山達成と同様の気持ちになっている今、299座目と言っても、心ときめかすような感情は湧いてくることはなかった。
京都駅前からバスに乗り、修学院近くの「修学院道」で下車。音羽川に沿って歩きだす。雲母坂から比叡山を越え、琵琶湖近くの坂本集落へ下山する最もポピュラーなコースを選んだ。 山頂まで自動車道も通じてバスの便もあるし、またロープウエイもあって、もはや登山対象の山とは言えなくなっているが、それでも歩いてハイキングを楽しむ人も多いようだ。
音羽川沿いの道が途切れたところで、橋を渡って右岸に移り、ここから山道へと入って行く。 冬枯れた雑木林の中を、積もった落ち葉を踏んで行くと、いつしか汗がにじんでくる。この道は有名な千日回峰の道でもある。またその昔、山頂付近にある延暦寺の僧が京都へ行き来した道だともいう。

修学院地籍の境界を示す柵が途切れたあたりで、急な登りも終わって緩やかな道となった。しばらく進むと「水飲対陣跡」で、近くに水場があるようだ。右手の谷から、冷たい風に乗って滝音が聞こえてくる。
ふたたび潅木の道を登って行くと植林帯に変り、ほどなくロープウエイ駅となる。後は車道を爪先上がりに行くと人工スキー場にぶっつかる。オープンを控えて準備作業の最中だ。スキー場の左を巻いて進むと、右手に「四明岳」への道が分かれる。四明岳へ立ちよって行くことにして、その道標にしたがって林の中の細道へ入りちょっと登ると、ふたたび車道へ出る。舗装道路を右手へ行ったところは、大きな遊園地の入り口で、四明岳はその中にあるらしい。入園料を払うのも勿体ないので、入口からUターンする。

比叡山の最高峰「大比叡」は遊園地のすぐ北側にあって、山頂駐車場から見ると丘のような雰囲気しかない。まったくがっかりさせる。駐車場から歩いて10分。ここが一番高いと思われるところには、大きなテレビ中継アンテナとコンクリートの構築物が占拠している。山頂の表示でもないかと思って探してみたが、それらしいものも、また三角点も見当たらない。本当にここが大比叡の山頂なのか自信がなくなってしまった。
駐車場まで戻って売店の女性に聞いてみると、間違いなくそれが大比叡だった。
延暦寺へはスキー場近くの分岐まで戻ってから、林道のような道を下って行く。境内入口には関所のような料金徴収所が構えている。境内を見学する人は料金を払わなければならない。500円を払って入場したが、「見学しません。通るだけです」と言えば払わなくてもいいらしい。広い境内には観光客の姿が多い。せっかくだったので法華総持院や有名な根本中堂を見学してから、坂本への道を下った。

枝道があったりして、途中ちょっとわかりにくいところもある。自動車が整備されて、この山道を歩く人も少なくなってしまったのだろう。風のない日向で一休みしようと思いながら下ってきたが、日向に出たのはもう坂本集落が目の下の地点だった。日だまりの中で琵琶湖を眺めながら昼食を摂ってから、JR坂本駅へ向かった。

300名山で残すは金剛山だけ。明日にでも300名山達成はできるものの、その金剛山は急がずに、良いタイミングを考えて登ることにするつもりだ。