追想の山々1309  up-date 2002.03.27


籠ノ登山(2227m) 登頂日1992.11.01 単独行
高峰温泉(6.00)−−−水ノ登山(6.35)−−−東籠ノ登山(7.05-35)−−−兎平(7.40)−−−高峰温泉(8.15)===高峰温泉登山口(8.20)−−−高峰山(8.50)−−−登山口(9.15)===東京へ
所要時間 3時間15分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
初冬の信州百名山を登る=55
籠ノ登山(左)と水ノ登山(右)

昨日は、1日で浅間隠山、鼻曲山、湯の丸山〜烏帽子岳と3座の駆け足登山をして、車坂峠近くのスキー場駐車場で寝た。無数の星屑が瞬く。標高2000メートル、よく晴れた分、放射冷却のために、寝袋の中まで侵入して来る寒さに閉口した。

自動車の窓ガラスには霜がびっしりと凍りついている。明るくなるのを待って登山口となる高峰温泉前まで移動、真冬のような寒さに身をすくめて水ノ登山への登山道へ取りついた。枯れ草も、潅木の梢も、路面の小石もすべてが霜に覆われていた。赤茶けた火山礫の道が岩の道に変わって来ると水ノ登山のピークだ。見落としそうな山名表示は、真っ白な霜を被って字も読めない。
風も強い上にとにかく寒い。ガスが飛ぶ。コメツガにはエビの尻尾もできている。
すぐ先には本峰の籠ノ 登山が見えるが、その山頂部はガスに隠れている。ガスは風に飛ばされても飛ばされても、次々に飛来して絶えない。

水ノ登山から痩せた岩場を鞍部まで降り、コメツガの登りを詰めると籠ノ登山の頂に立った。幸いにも陽が昇るとともに、ガスは吹き払われるように消えていった。山頂には私より早く二人の先着者がいた。写真目的で未明から登って来たらしい。
さすがは一等三角点、眺望は申し分ない。四阿山が大きな姿を見せている。 裾からてっペんまで、あっけらかんと全容を現した山容は、その裾野に広々として広がる景観と相俟って見飽きなかった。四阿山が日本百名山に選定されわけが納得できるような風格を確認した。黒斑山の後ろに浅間山が頭を出している。八ヶ岳、奥秩父、北アルプス、昨日登った湯ノ丸山や烏帽子岳や浅間隠山もある。
下山は最短の兎平の駐車場へ降りた。
駐車場から高峰林道を約3キロ、高峰温泉まで歩く。高峰温泉へ入浴させてもらおうとしたが、時間が早すぎて断らてしまった。

このあと近くの高峰山へ登った。
高峰温泉のすぐ近くに登山口があった。山頂には表示もなく、どこがピーク分からぬうちに頂上を通り過ぎてしまうような山だった。山頂先の巨岩の空き地に立つと、眼下に広がるカラマツ林が、さながら黄金の絨毯と見まがう眺めにしばし見とれた。
往復1時間ほどだった。
車坂峠から小諸市へのチェリーパークラインは、酔うようなカラマツの黄葉の道だった。いい天気に恵まれた二日間に感謝して、黄葉のトンネルの中を自動車を走らせた。