追想の山々1311  up-date 2002.04.06

長野・愛知県境の山
茶臼山(1415m) 登頂日1994.10.25 単独行
飯田IC===新野村伊豆神社===茶臼山登山口(9.30)−−−茶臼山(9.55-10.10)−−−下山(10.30)===上村しらびそ高原===大鹿村安康へ
所要時間 1時間 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
長野県南端の信州百名山=57
茶臼高原からの茶臼山


山行計画を考えながら地図を眺めていると、自分が生まれ育った長野県なのに、南北の長大さに改めておどろく。
月初には県北端の天狗原山を訪れ、月末の今日は南端の南信濃村の地に足を向けて、今更のようにそれを実感する。
民族芸能の宝庫といわれる南信濃村の集落は、稲の刈り入れが終わり、紅葉の山が晩秋の静けさの中にたたずんでいた。

売木村、南信濃村、上村、平岡村等、かつての僻村も道路の整備により近代化の歩みを速めているいようだ。小奇麗で明るい民家が、秋の陽を一杯にあびている。新野の雪祭りで知られる売木村新野の集落も、山間とも思えぬほど明るく開けていた。
雪祭りの舞台 となる伊豆神社だけでも見ておこう思い立ち寄った。老杉の石段を登ると、いかにも年降りた神社は、目につくような飾りの類いは一切なく、柱など材質の木肌は灰色にくすみ、硬質部の年輪が浮き出していた。毎年1月、ここで行われる祭りには、遠方からも観光客、アマ・プロのカメラマン、マスコミなどが押し寄せて、大変な混雑を呈するとのことである。

売木峠を越えて茶臼山高原へ向かう。軒山川に沿った道はみごとな紅葉に飾られていた。  茶臼山高原は長野県と愛知県の県境に位置している。自然豊かな長野県にとっては、どうというほどのものではないが、茶臼山は愛知県の最高峰であり、この自然は同県の数少ない貴重な自然であり、憩いの場として、主として愛知県の手によって開発されいた。一帯はリゾートエリアとしての色彩が濃い。

目的の茶臼山三角点は愛知県、長野県の県境にあって、信州百名山の一峰である。山頂近くまで自動車道が通じ、今は登山対象の山とはいいがたい。スキー場、レストハウス、宿舎など観光施設の立ち並ぶ様は、ファミリー観光保養地そのものであった。
駐車場に自動車を置いてカメラ片手に山頂へ向かった。間もなく開催 される愛知国体の炬火採火の儀式が茶臼山山頂で行われたということで、大勢の人々が下って来た。山頂まではのんびり歩いて30〜40分だった。三角点山頂からさらに北へ200メートルばかり進んだ所に、鉄製のやぐらがあって、ここからの展望がよかった。南アルプスは雲の中だったが、 恵那山、大川入山、蛇峠山がすぐ近くだった。
この茶臼山が信州百名山98座目となった。

新野まで戻り、山間の曲がりくねった間道を通って平岡村へ抜け、 さらに池口岳登山口のある上村を通過、南アルプスの眺めがいいという「しらびそ高原」へ立ち寄った。標高2000メートル近い高度は、水たまりが凍り、冬のような寒さだった。見晴台に立つと目の前に兎岳、大沢岳、聖岳から上河内岳が迫力をもって迫り、さらに南部の光岳、池口岳などが見渡せた。
このあと明日登頂予定の鬼面山登山口の大鹿村へ向かった。