追想の山々1313  up-date 2002.04.10


不入山=いらずさん(1336m) 登頂日2000.11.13 単独行
林道ゲート(7.00)−−−林道終点(7.45)−−−分岐(7.55)−−−不入山(8.40-9.00)−−−林道終点(9.40)−−−ゲート(10.15)
所要時間 3時間15分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
高知県、一等三角点の百名山=63
不入山頂上


車が東津野村舟戸にさしかかる。国道197号が、舟戸集落の外側を巻いているので、うっかりすると集落へ入らずに通り過ぎてしまう。今回そうしたミスをしてしまった。  
集落へ入ったところで、登山口への林道を尋ねると、あれが不入山だと指差して教えてくれた。前山に隠れて、山頂の一部だけが見えていた。  
「源流」の標識に沿って上がって行けばいいと教えられた。  
途中の神社では、秋祭りの奉納踊りらしい行事に、集落の人々が沢山集まっていた。源流とは四万十川源流のことで、明日登る不入山がその源流の山である。 源流標識を頼りにどんどん山の中入って行く。道は未舗装に変わった。やがて河原の中を走るような荒れた方になる。自動車が飛び跳ねている。
源流方面への道と別れて、さら悪路を上がって行くと、ようやく峠のてっぺんに到着した。自動車が4台止まっていた。しばらくすると数人のグループが下りてきた。地元の人たちだった。帰り際「愛媛のミカンをどうぞ」と二つ置いていってくれた。ついで夫婦連れが下山してきて、自動車も去り峠には私一人だけとなった。
峠から少し先へ歩いてみると、石灰採掘の鳥形山が見えた。この時期日暮れは早く、食事を済ませて5時半には自動車の中に横になった。天気は下り坂とのこと、夜半風が強かったが、月もときおりのぞいていた。

この峠からもう一本支線の林道が分かれているが、これは鎖のゲートがあって進入出来ない。この閉じられたゲートが不入山へのコースである。  
7時に出発、ゲートを抜けてからの林道歩きが結構長いが良い道だ。昨日下ってきた人は、林道の紅葉がよかったと言っていたが、それほどのことはない。それより林道に散り敷いた落葉が美しかった。天気はすぐには崩れる心配はなさそうだ。  
林道を45分歩くと小さな広場で終点となる。ここが不入山への登山口である。ベンチや水場もある。
山道へ入るが、10分ほどは平坦道である。道が二つに分かれる。立派な大きな道標が右手を指し、もう一つ山岳会による小さな道標が左手を指して55分と書かれている。多分メインコースは右手だろう。そちらを登ることにする。
わが国最後の清流、四万十川源流にふさわしい、手づかずの原生林が残されていた。風景林、保養林として保護されてきたお陰だろう。全山岩山という感じで、ほとんどが露岩の上を歩く感じである。コウヤマキの巨木が、岩の割れ目に根を張り、その根が岩を抱き込むように包んでる。太古の自然を目にするような光景だ。シャクナゲの植生も目につく。それにアケボノツジの群落、春なら花見登山が楽しめることだろう。
ときには岩をつかみ、潅木を支えに登って行くと一つの高みに登りついた。コウヤマキの高木が頭上を覆い、そこはまさしく「原生林」そのものの雰囲気だった。ここから少し下ってから、岩場を登りかえして行くと、不入山の山頂だった。
まず一等三角点を確認する。ついで北側だけが切り開かれた展望は、中津明神山、石鎚山、瓶ケ森など、それに石灰岩採掘の鳥形山。

20分ほどの滞頂で同じコースを下山にかかった。
山頂を辞してすぐ、登りでは気がつかなかったが、四国カルストの五段城や国民宿舎、風車などが奇麗にみえていた。
往復所要3時間15分だった。R197号、56号で須崎市、土佐市を通り高知市へ。桂浜へ直行、坂本竜馬像や桂浜を見物してから、市内のビジネスホテルへ投宿。はりまや橋で食べたカツオのタタキが最高に美味かった。