追想の山々1316  up-date 2002.09.02

冷水山(1262m) 登頂日1999.04.28 単独行
安堵山直下(7.45)−−−黒尾山(8.15)−−−冷水山(8.40-45)−−−黒尾山(9.05)−−−安堵山直下(9.25)
所要時間 1時間40分 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
奈良県南部、一等三角点百名山へ
忘れ去られたような山頂


久しぶりで一等三角点百名山をひとつ消化するために出かけた。
奈良県最南端、紀伊半島の南部に位置する冷水山は、奈良県の山と言うより、むしろ和歌山県の山と言った方がぴったりする。  
同じ県内にある自宅から出かけたのに、登山口まで3時間半を要した。走行距離120キロ、秘境をイメージさせるような龍神村の先に登山口がある。  

龍神村から県道735号線へ入り十津川村方面へ向かって走る。いくつかの集落 を過ぎて、県道とは言え、林道まがいの道を進むと加財という集落がある。ここで県道と別れて中辺路村方面への林道へ入る。
山道を上って行くと坂泰隨道というトンネルを抜ける。トンネルを出たところで道は左右に2分する。右は中辺路方面、左は本宮町方面である。ここは左の本宮町への「林道龍神本宮線」へ入る。林道は果無山脈の稜線に寄り添うようにしてつけられている。落石などが散乱した箇所もあって、大雨の後などは気をつけた方がいいだろう。                    

トンネルを出ておよそ8キロ前後で、果無山脈の一峰「安堵山」山頂直下となる。ここには道路山側に、この付近一帯の案内図看板が立っている。看板に向かって左手の高みが安堵山で、10分もあれば頂上まで行けそうに見える。
路肩に自動車を置いて山の斜面へ向かう階段を昇って 行くと、ちょっとした展望台のような広場があって、ここから登山道がはじまる。  
樹林帯を登って行くとすぐに稜線となり、この稜線を忠実に冷水山へと緩い起伏をたどって行けばいい

それにしても何とアプローチの不便な山であることか。わざわざ訪れる人も少なかろう想像するが、稜線の道は結構よく整備され、踏み跡もしっかり としているのが不思議なくらいだ。どういった人たちが訪れるのだろうか。  
稜線は自然林のままに残されていて、特にブナが目につく。リョウプ、アオシデなど春の芽吹きが始ったばかりで、植林人工林ばかりが目に付く奈良県の山の中では、とりわけすがすがしさを感じる。

途中で黒尾山と言いうピークを一つ越えると、その先のピークが冷水山である。
紀伊半島南部を東西に走る果無山脈の最高峰である。山頂からは熊野地方の幾重にも重なる山々が見て取れる。 北に開けた眺望には大峰や大台が見えると言うが、遠すぎて一塊の山としか映らず、はっきりとは確認できなかった。
一等三角点標石は、角が欠けてかなり傷んでいる。一等三角点を目指す人のほかは、いったいどんな人たちが登りに来るのだろうか。三角点の損傷を見ると大勢の人が来ていることを物語っているようにも思えるし‥・・。  

マイカーでのアプローチに時間を費やした小さなハイキングだった。  
これで一等三角点百名山は90座目となった。