追想の山々1318 up-date 2002.10.02
刈田峠(9.20)−−−前山(10.15)−−−杉ケ峰(10.30)−−−芝草平(10.50)−−−屏風岳(11.20-35)−−−杉ケ峰(12.25)−−−刈田峠(13.15) | |||||
所要時間 3時間55分 | 1日目 ***** | 2日目 **** | 3日目 **** | ||
一等三角点百名山
一般に蔵王と言えば刈田岳から熊野岳にかけてのいわゆる北蔵王を思い浮かべるが、一等三角点は南蔵王と言われる中の一峰「屏風岳」にあって、一等三角点百名山にも名を連ねている。 北海道山行前の足慣らしにもなるという、一石二鳥の狙いをこめて立ち寄った。 未明に東京の自宅を出たが、登山口の刈田峠に着いたのは、 9時を回って太陽はすでに天空にあった。 日本百名山チャレンジの過程で、蔵王熊野岳を登ったついでに、この刈田峠から屏風岳手前の芝草平までは往復したことがある。 標高差が小さくて、よく整備された登山道はファミリー向きのコースで、妻の足慣らしにはもってこいだった。 刈田峠から黒木樹林の登山道へ入り、シラベの道を下って鞍部の湿原まで来て驚いた。5年前にはちゃんとした湿原だったところが、一滴の水もなく、あたりは乾ききっているのだ。この湿原は消えてしまう運命なのだろうか。高山植物は生き延びることができるのだろか。 湿原を過ぎて杉ケ峰への登りになると、ハクシンシャジンの紫花が目立つ。ミヤマアキノキリンソウ、ミネウスユキソウ、ハクサンボウフウなどの花が風に揺れている。 杉ケ峰から緩やかに下降して行くと、芝草平の湿原が見えて来る。その先はなだらかな斜面をもって屏風岳へつづいていく。 芝草平の湿原も乾燥おびただしく、池塘は干上がった状態だった。わずかに水を残した池の周囲に咲くイワショウプが悲しげだ。 屏風岳へは沢状の窪地を登って行く。ところどころには露岩が見えて登山道らしい雰囲気がしばらくつづいたが、やがて低潅木帯に変ったところで傾斜がなくなり、どうやら山頂の一角に登りついたようだ。 三角点は平坦な山頂の道を、潅木の間を縫ってかなり南へ進んだところにあった。 地肌が剥き出した裸地の山頂は、ハイマツ、ミネザクラ、ミネカエデなどの植生が、高山の雰囲気を感じさせる。一等三角点を確認、本来は眺望に楽しいひと時を過ごすはずが、今日は霧、ただ南屏風岳が見えるだけだった。 涼しい山頂でしばらく休憩してから、おなじ道を刈田峠まで戻った。 鄙びた温泉として知られる『我々温泉』に立ち寄り、汗を流してから一路仙台港へと向い、午後8時出航のフェリーに乗り込んだ。 |