追想の山々1327  up-date 2003.01.09.


一ノ倉岳(1974m) 登頂日1992.10.17 谷川岳まで妻が同行
ロープウエイ山麓駅前(7.10)−−−巌剛コース登山口(7.30)−−−ガレ沢の頭(9.05)−−−谷川岳トマの耳(10.15)−−−オキの耳−−−一ノ倉岳(10.55-11.05)−−−トマの耳(11.45-12.25)−−−天神平ロープウエイ駅(14.00)〜〜〜ロープウエイで下山
所要時間 6時間50分× 1日目 ***** 2日目 **** 3日目 ****
一等三角点の100名山=55
一ノ倉岳
谷川岳ロープウェイの運転が8時50分からとわかって予定を変更、下から歩くことにした。
以前西黒尾根から登ったことがあるので、今回は違ったコースをと思い巌剛新道を選んだ。しばらく自動車道を歩いて西黒尾根コースの登山口を過ぎ、マチ ガ沢へと向かう。マチガ沢にかかる橋の手前からは、聳立する岩壁が覆いかぶさるように迫る。その岩壁は満艦飾の紅葉を着飾って、眺める観光客の姿があった。

マチガ沢を右手に見ながら巌剛新道の登山道へ入る。沢状の登山道はところどころ小さい流れを作っている。妻同行の今日は、山頂まで高低差1200メートル以上の登りを、急かず焦らず足を運 ぶ。
潅木の途切れたところに、マチガ沢の絶好の展望台があった。ひといき入れて名にしおうマチガ沢の景観をじっくりと味わった。
ロープウェイ駐車場から約2時間、西黒尾根コースと合流する『ガ レ沢の頭』に到着。西黒尾根コースの方がメインルートなのだろうか、巌剛新道には見かけなかった登山者が、ここでは点々としてつながっている。ここからは前に歩いたコースである。

抜いたり抜かれたりしながら高度を稼いで行く。左手眼下にロープウェ イ山頂駅舎と天神平が見渡せる。ようやくロープウェイが運転を始めた時間である。
岩稜の尾根を辿って順調に谷川岳双耳峰のひとつ、トマの耳に登りついた。1200メートルを3時間、妻のペースとしては上等だった。狭い山頂にはまだ人影は少ないが、もうしばらくするとロープウェイからの登山者が大挙して押しかけ、狭隘の山頂は座る場所も ないほどの混雑になる筈だ。

妻をトマの耳に残し、コースタイム1時間の一ノ倉岳へ向かった。
双耳峰のもう一方オキの耳を通り、快足で露岩の稜線を北へ行向かう。
100メートル余の下降をした後、一気に登り返すと一ノ倉岳頂上だっ た。一等三角点の100名山として、ぜひ登っておきたくて足を伸ばしたのだが、なだらかな笹原の頂上にはその三角点が見当たらない。茂倉岳方向へ少し探してみたがやはり見つからいな。山頂の登山者も探してくれたがわからない。笹の中に埋没しているのかもしれない。諦めて妻の待つトマの耳へ戻った。

すかっとした青空が広がっていたのに、雲がかかり始めて眺望を消し去り、白毛門から笠岳、朝日岳方面と、武尊山などが窺えるだけになってしまった。山頂周辺の紅葉も、目を焼くような深紅のサラサドウダンは既に終って、以前息を飲んだ紅葉の眺めはなかった。
案の定、人で込み合うトマの耳でラーメンを作り、お汁粉を温めて昼食をとったあと、天神平への道を下った。
ロープウェイから次々と登っ て来る観光まがいの軽装の登山者に擦れ違って足を速める。3〜4 年前、今日より10日以上も早い時期にもかかわらず、この場所で突然襲った冬型気象のために遭難が発生、何人もの命が奪われたこともある。天候急変が当たり前の谷川岳の怖さを知らぬ人々が、大挙して押し寄せているさまを目にすると、そら恐ろしい気がして来る。

天神平からはロープウェイで下山することにした。