2001


山行報告−芳山=ほやま(518m)
奈良県 2000.12.4 単独行
コース 奈良市破石バス停(6.30)---地獄谷石窟仏---芳山---破石バス停(9.30)
春日奥山にある一峰「芳山」へ登った。  
標高はたった518メートルの低山、それでも奈良市街から歩くと、標高差は400メートル以上あって、曲がりなりにもハイキングと言える。    
良く耳にする、春日奥山の原生林を一度訪れてみたいと思っていた。

春日大社下の駐車場へ自動車を残して出発。
春日大社に隣接して南側の能登川の流れに沿うようにして延びる昔の街道「滝坂」の道をだとる。この道は歴史の舞台にもたびだひ登場する柳生街道である。  
原生林は国定公園にもなっていて、人手の加わらない自然の状態がよく保たれている。大樹の幹は苔むし、太古の趣が伝わってくる。自然石を敷いた道をたどると、岩に刻まれた寝仏、夕日観音、朝日観音などの石仏が次々と現れる。みんな鎌倉時代の作だという。さすが奈良は歴史の故郷である。  
大幅に遅れていた楓がちょうど紅葉の時期を迎えていた。原生林の中に鮮やかな朱色がことさら目立つ。  
荒木又衛門が試し切りをしたという「首切地蔵」を過ぎると、地獄谷石窟仏となる。東大寺大仏殿建立の礎石採取の跡に仏像を彫ったのではないかということだ。
小さな尾根を登りきると車道に出て、これを右手に300メートルほど行くと茶店がある。早朝でまだ開いていなかった。
茶店から200メートルほど先に小集落があり、高みの神社を左に見上げて細い道へ入る。竹林を抜け、二又を左にとって進むと茶畑となり、その先で道は鉄の柵で遮られてしまった。施錠されていないので閂をはずして中へ入る。
見落としそうな手作りの案内プレートに沿って行くと、「二面仏」という石の2面に彫られた石仏の前に出る。すぐ先が山頂だった。
四等三角点のある山頂だが、展望はよくない。樹木の隙間をすかすようにして眺めると、大和三山の耳成山や天の香具山、それに葛城、金剛山が確認できた。