2010
奈良県 | 2001.02.09 | 単独 | ||
コース | 自宅(5.40)===榛原町高井(6.40)−−−仏隆寺(7.20)−−−高城岳(7.50)−−−三郎ケ岳(8.25)−−−開明寺跡(9.00)−−−石割峠−−−高井(10.05)===自宅 | |||
年が明けてから、すかっとしたピーカンの天気がほとんどない。 明後日は10キロマラソンがある。山歩きで疲れるのは少し気にはなったが、どうやら晴れ間も出そうな予報につられて山へ出かけることにした。 何しろ思いたてば、15分あれば山行の準備は整ってしまう。 登山靴はいつも自動車の中だし、ザックなどの道具や衣類も一箇所にまとまっているから、準備というほどのものは何もない。 出発点となる高井バス停は、早朝ジョギングの人に教えてもらいすぐにわかった。 夜の明けたばかりの高井集落を抜けて仏隆寺への車道歩きがしばらくつづく。一つ二つ小集落を過ぎ、40分ほどで寺の石段下へ着いた。自然石を少し加工しただけの素朴な石段が、苔をつけて歴史をしのばせる。数えたら224段だった。 寺には、なぜか「大和茶発祥の地」という看板がかかり、なにがしか払うとお茶を飲ませてもらえるらしい。 寺をあとに、石段を降りるとさらに上り勾配の車道を進む。小さな集落が途切れとぎれにあらわれる。車道歩きが長く、抵抗感を感じる人もあるかもしれない。曲がりくねった道沿いの小さな棚田に、昔の人の勤勉さをしのびながら歩くのも悪くはない。ときおり茅葺屋根の民家も目に付くし、絵になりそうな景色に、「ここはどう描いたらいいだろうか」などと、構図を考えながら歩いているとけっこう楽しめる。 高城岳の道標が、ようやく山道へといざなってくれた。 薄暗い杉植林の中のコースを登って行く。登山道に雪はほとんど見えない。一汗かくと高城岳の山頂だった。あずまやも建っていた。曇り空の下に、雪をかぶった大峰、台高方面の山々が望める。今にも空から雪が落ちてきそうな寒々とした景色だった。 休憩もそこそこに三郎ケ岳へ向かう。 たいしたことはないが雪が出てきた。最近人の歩いた形跡はまったく見当たらない。先日の金剛山の人出とは大変な違いだ。消えかかったタヌキの足跡があるだけだ。 二つほどピーク越えたあと、うって変わった急登となる。雪の氷化したところもあるので注意して登って行く。ひとしきりの急登が終わると、潅木に囲まれた三郎ケ岳山頂だった。 2等三角点の山頂だが、潅木が邪魔して展望は余り良くない。 山頂からは急坂を一気に下って行く。下りついた平坦地に建物がある。山小屋でもないし何の建物かわからない。近くには新しいお堂もある。下り道はここから2分するが、どっちをとって良いかわからない。下ったり戻ったりして様子を確かめてから、あとは感を頼りに左のコースを選んだ。 やがて林道に降り立ち、なおも下って行くと、焼失した開明寺跡に出て、選んだコースが正解だったことを確認した。 寺跡からすぐ、舗装された車道と分かれて、石割峠を越えて行く「伊勢本街道」という道を取る。昔は往来で賑わった街道も、今は細々とした山道と化し、街道の面影は薄い。 雪が舞い落ちてきた。寒風が街道をかけ抜けて行く。 集落があらわれて国道も近いと思ってから、殺風景で変化のない道が長々とつづいた。 出発地点の高井に帰りつくころには、雪は本降りとなり、見上げる山は降る雪にかすんでいた。 |