2011

山行報告
中葛城山
(938m)〜高谷山(935m)〜神福山
(792m)
奈良・大阪府 2000.02.17 単独 高谷山三等三角点
コース 金剛ローブウエイバス停(6.30)−−−久留野峠−−−中葛城山(7.30)−−−高谷山−−−千早峠−−−神福山(8.20-25)−−−高谷山−−−中葛城山(9.20)−−−久留野峠−−−ローブウエイバス停(9.50)
久しぶりにすかっとする青空が広がり、風もなく、春を感じさせるような穏やかな日だった。
昨日の荒れ模様が山に新雪をもたらしていた。期待どおりだ。

金剛山ロープウエイ乗り場近くの登山口まで、凍結した路面も四駆スタッドレスで難なく到着。夜が明けたばかりにもかかわらず、すでに何台かの自動車が止っている。うわ手がいるものだ。
放射冷却が効いて気温はマイナス5、6度だろうか、登山靴を履いているだけで、手の指先が痛くなって来るような冷え込みである。

久留野峠への登りは、一人分の足跡が残されている。
念のために軽アイゼンを持ってはきたが、新しく降った雪のおかげで、アイゼンなしで楽に歩ける。
久留野峠へ登り着くとダイアモンドトレイル(ダイトレ)の稜線で、左が金剛山方面、右が中葛城山から紀見峠方面となる。
今日は土曜日、金剛山方面は途絶えることのないハイカーで賑わいをみせることだろう。
一方私がこれからたどる中葛城山方面は忘れられたようにひっそりとしている。金剛山とはまるっきり別の世界だ。

この朝も久留野峠から先、中葛城山方面へは一つの足跡もなく、新雪が無垢のまま残っていた。
気分良く雪の下に隠れた長い階段を踏んで登って行く。汗を感じるようになったころ、植林の林が途切れて中葛城山のピークに到着。ピークと言っても稜線の単なる通過点のようなもので、表示板が山頂ということを示しているに過ぎない。澄明な大気がピリッと引き締まっている。
今日のコース中、展望のあるのはここだけだった。眼下に見える市街は五条市、鏡の破片を散らしたようないくつもの輝きは溜め池だろう。そして遠く大峰山系が薄紫のシルエットを浮かび上がらせていた。
三等三角点標石を探したが、雪のに隠れて見つけることはできなかった。

足を止め、いっときの展望ののち先へ進む。
新雪の登山道に見えるのは、野ウサギとキツネの足跡だけ、10cm余の粉雪が一足ごとに足もとに小さく舞う。1時間もして気温が上がれば、湿った雪に変わってしまうことだろう。
地図には載っていない高谷山という小さなピークを越える。
暗く陰気な植林の中をたどって行く。小さな上り下りを繰り返す。

長い階段を下った鞍部が千早峠。大和五条方面と南河内方面を結ぶ交易、軍事の重要な峠だったとか。
五条、南河内の道を十字に横切るようにしてダイトレを進むと、間もなく神福山への道標が立っている。
ダイトレと分かれて、急な斜面をひと登りすれば神福山の山頂である。

杉林に囲まれた薄ぐらい中に小さな祠が祀られている。展望はまったくない。拍子抜けするような山頂だった。
夏なら樹陰で一休みするのもいいだろうが、展望もない雪の寒々しい中で休む気にもなれず、すぐに山頂をあとにして、同じ道を戻った。

低山ながら、往復かなりの登り降りで、累積標高差はそこそこの山へ登ったのと同様の歩きでがあった。
帰りも久留野峠までは誰一人会わなかったが、久留野峠からロープウエイ駅への下りで様子は一変、登って来るたくさんのハイカーがつづいていた。