2018

山行報告竜ヶ岳(1485m)
山梨・静岡県 2001.03.23 単独
コース 本栖湖キャンプ場( 5.40)---竜ヶ岳(7.15)---キャンプ場(8.20)
富士五湖の一つ、本栖湖々畔の龍ヶ岳は、つい最近まで登山道がなかった。 4年前のことになるが、雨ケ岳登頂の折り、ついでに端足峠から竜ヶ岳へ登ろうとしたが、ひどい笹の密薮で途中諦めてしまったことがある。
富士山を取り巻く山はほとんど登り尽くしているのに、この龍ヶ岳だけが残されたままになっていた。

近年端足峠からも、本栖湖からも良い登山道が開けて、誰でも簡単に登れるようになった。
私の住む奈良県にも「龍ヶ岳」という名の山がある。ちなみに日本山名辞典を開いてみると、同名の山が10もあった。他に竜王山とか竜ケ峰とか、竜のつく山がたくさんある。
今度登った龍ヶ岳は山梨と静岡県の県境にある。

本栖キャンプ場を5時40分にスタート、道標に誘導されてキャンプ場の中を通り、10分ほどで登山口に着く。
道は良く整備されているが、ぬかるみがひどくてあまり快適とは言えない。
ひと登りすると尾根に乗って、ぬかるみは少しよくなった。ところどころ凍った雪が残っている。もう少し残雪があると思ったが、予想に反して山頂までたいしたことはなく、拍子抜けするくらいの雪しかなかった。

尾根歩きに変ると、雑木林越しに大きな富士山が終始左手に見える。少し靄っているのと、上空に薄雲があって絶好とはいかないが、それでも端正な姿は目を引きつける。
小さなピークを越えて、最初のポイントは石仏のある好展望台、休憩用のあずまやが建っている。笹で覆われた龍ヶ岳山頂へ向けて、電光型のじぐざぐの道がよく見える。
木立のない笹一色の登りは、ゆるやかなじぐざぐ道で苦もない登りだ。広々とした朝霧高原が眼下に、そして富士山は途絶えることなく視界にある。龍ヶ岳の奥に見えるのは毛無山で、こちらはまだ雪がかなりありそうだ。 じぐざぐ道を数えたら、40回前後のカーブを繰り返した。
勾配がゆったりして山頂の一角に登りついたようだ。笹の中に点々と潅木が立っている。登山道の雪は、固く氷化している。たおやかな大きな山頂は、端から最高点まで10分近くあった。

山頂の笹は広く刈り払われて、公園広場のような大きさがある。
富士山はさすがに日本一の山、威風堂々と天空を占めて他を寄せつけない貫禄がある。
正月前後にはこの龍ヶ岳山頂からご来光を見ると、富士山頂のお鉢から陽が昇るのだそうだ。竜年の昨年は、そのご来光を見るために、多くの登山者が夜明け前から登ったという話を聞いた。
遠望の南アルプスは銀嶺の高峰を屏風のように連ねている。仙丈ケ岳は北岳の背後となって見えないが、甲斐駒ケ岳、北岳、間ノ岳、農鳥、塩見岳、荒川三山、赤石岳、聖岳という3000メートル峰が一望である。「山岳展望となると、やはり見なれた関西の山とはちがい、中部地方の山が格段に素晴らしい。

登山口には、山頂まで2時間40分と書いてあったが、1時間35分で登ることができた。
帰りも同じ道を下った。