2020
岐阜県 | 2001.04.04 | 単独 | ||
コース | 幸徳橋バス停(6.35)−−−最初の林道(7.15)−−−8合目登山口(7.50)−−−笠置山頂(8.10-25)−−−バス停(9.40) | |||
中央高速道下り線を走り、長い恵那山トンネルを抜けて岐阜県側へ下って行くと、やがて秀麗な山容が目を引きつける。高い山ではない。 高山や中級山岳がひしめく中部地方においては、取るに足らない低山にも関わらず、独立峰のごとくみごとに立ち上がった姿は、なかなかの存在感である。 その山へいつか登ってみたいと思っていた。調べてみると笠置山であることがわかった。 恵那インターチェンジを出てR83を白川方面へ向かう。木曽川にかかる笠置橋を渡って、すぐに郵便局があり、その先50メートルほどで「笠置山登山道」の標識にそって右折、あとは要所々々の登山道標識を追って行けばいい。 スクールバスの停留所“幸徳橋東”に広い駐車スペースが見つかったので、ここへ自動車を止めた。 バス停前に登山道の標識があり、広い車道から分かれて、北へ向かう狭い舗装道路へと入る。松林の道を15分ばかり歩くと、分譲別荘地の建物が点在していて、舗装はここで終わっている。その先はかなり荒れた林道に変わる。廃道同様で、進むにしたがい自動車の通行も困難なほどに荒れていた。 突然車道に飛び出した。登山者用の休憩小屋が建ち、駐車スペースもある。目立つ登山口標識もあって、ここが通常の登山口ということらしい。ここまで自動車で入れば、30〜40分は時間短縮になった。 登山道は勾配もなだらかで楽な道だ。途中に、日本では対馬とこの笠置山周辺だけに自生するというヒトツバタゴの木というのがあって、天然記念物に指定されている。ナンジャモンジャの木とも言うらしい。今年の大雪のために、その大木の枝が無残に折れていた。 展望のない杉の植林がつづく。 もう一度林道を横切るところに、8合目登山口の標識があって、ここにも自動車で上がって来られるようだ。 道は相変わらず植林の中である。暖かい朝だったが、登山道には霜柱が見える。 尾根に登り着くと、そこは山頂の一角だった。 薄暗い木立の中は笠置神社があり、境内に二等三角点があった。 展望台の標識にしたがい、神社の裏側へ回り込むようにして3分ほど下って行くと、木製ながら頑丈な展望台が設置されていた。御岳、中央アルプスの眺めがすこぶる良い。銀嶺の山襞が、朝の斜光線に鮮やかに浮き上がっている。大きな山体の恵那山も藍色に横たわっている。 展望案内盤には奥美濃の鷲ケ岳なども記されているが、波のようにうねる山並みのどれが鷲ケ岳か特定することはできなかった。 地元の人以外、知る人もないような小さな山にもかかわらず、なかなかの展望に満足して同じ道を戻った。 めぼしい山は、かなりの数を登り歩いてしまい、最近は名もない山をあてもなく登ることが多くなった。ところがその中に意外に好展望の山を見つけたりして、何か新しい発見をしたような嬉しさを味わうこともしばしばある。この笠置山もその一つであった。 歳を取り、山の歩き方が少しづつ変わってきているのかもしれない。 |