2022

山行報告−高ボッチ山(1665m)
長野県 2001.04.07 単独
コース 林道途中(9.30)−−高ボッチ山(10.45)−−高ボッチ高原散策−−林道途中(12.15)
蓼科山(左)と北横岳(右)、手前は霧ケ峰
鉢伏山へ登るつもりで出かけたのに、林道除雪が未了のために予定の高ボッチ高原まで自動車が入れず、高ボッチ山へ登っただけで帰ってきた。

塩尻峠付近から高ボッチ高原への林道へ入る。 ところどころ雪が残っているが、スタッドレスタイヤのままにしてあったので問題なく走れる。それでも車輪が轍に入ると腹を擦るような所もあって、だんだんと走行が難しくなってきた。
身動き出来なくなるのをおそれて自動車を途中であきらめる。

雪の林道を歩いて高ボッチ高原へ向かう。このところの暖かい陽気で、雪が腐っていて実に歩きにくい。カラマツのつづく林道は、まだ冬の装いだが、これから春を迎えての柔らかい芽吹きと、秋の黄葉を連想させる。
腐った雪のため、一足ごとの不安定さにイライラしながら、高ボッチ高原まで20〜30分の行程を、40分ほどかかってしまった。林道途中までしか入れなかったことや、予定外に時間を費やしために、鉢伏山まで往復すると、老母介添えの時間までには到底戻れない。高ボッチ高原の中の最高点、高ボッチ山の山頂だけに変更する。

雪原の広がりに飛びだすと、そこが高ボッチ高原で、牧柵が延びて夏は牧場に変わる。
高ボッチ高原では、毎年草競馬が開かれる。高原の夏の風物詩として、近年観光にも一役買っているようだ。 残雪に覆われた緩い起伏の高原を、高みを目指して適当に進んで行く。次第に展望も開けてくる。 最高地点が高ボッチ山1665メートルの山頂である。
展望は「みごと」の一語に尽きる。
少し残念だったのは、春特有の霞がかかって、山影が薄いベールをかけたように、ややぼやけて山襞まで鮮明に見えないことだった。
登る予定だった鉢伏山が目の前に大きく横たわっている。
山頂に設置された展望盤で確認すると南、北、中央アルプスに八ヶ岳、霧ケ峰、浅間山、頸城山塊、乗鞍、御岳など、主要な中部山岳はすべて含まれている。見飽きぬ展望に、しばし陶酔の時を過ごした。

山に登って一番嬉しいのは、何といっても展望の良いことである。どんなに素晴らしいと言われる山へ登っても、展望が十分でないと喜びは半分以下となってしまう。
季節的にも今回のような残雪が豊富で、銀嶺に輝く春の山がひときわ良い。山岳美の景観に浸れる最適期であった。
眺望に時間を取り、残雪上の高原トレッキングを楽しみながら自動車まで戻った。
予定の鉢伏山には登れなかったが、展望には十分堪能した3時間の雪上ハイキングに満足した。