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山行報告-比婆山(烏帽子山)=ひばさん(1225m)
島根県・広島県 2001.05.28 単独
コース 管理センター9.25---出雲峠10.05---烏帽子山10.40---比婆御陵11.00---ブナ林コース---管理センター12.20
今回の山旅では予定に入れてなかった比婆山へ立ち寄りました。
ここは広島県民の森として、天候に恵まれたこの日、大勢の人々がやってきていました。
まったく予備知識なしで来たために、どんなコースを取っていいかわかりません。管理センター前のコース案内看板で一応のコースを頭に入れて出発しました。

出雲峠から烏帽子山、御陵を回って下山する予定です。
出雲峠へは自動車も通れそうな広い道です。急登もなく、ほど良い勾配で大変歩きやすい楽々コースです。
間もなくキンポウゲに似た黄色い花が埋め尽すように咲いているのに出会いました。
広場のような出雲峠を過ぎると、ようやく山道となりました。
針葉樹の人工林がしばらくつづきますが、やがて明るい潅木帯と変わり、足元にアカモノ、イワカガミ、マイヅルソウなどの花が見られるようになります。花を目にしながら足を運んでいると、山歩きの楽しさがじわっと広がってきます。
花々を目にしながら、最後は急登となって烏帽子山頂へ立ちました。
山頂は広場のような平坦で、視界を遮る樹木もなく、360度の展望が得られます。
300名山の吾妻山が小さな鞍部を挟んで目の前です。3年前に登った山ですが、ここからなら1時間もあれば往復できそうです。展望盤には三瓶山、大山、道後山など、すでに登ったことのある山々が表示されていますが、霞の中に溶けて目にすることができませんでした。

烏帽子山を後にして比婆御陵へ向かいます。わずか20分ほどの距離です。ブナがみごとな稜線です。このあたりの野鳥の多さには驚くほどです。私のわかるのはシジュウカラの囀りですが、降るような囀りとはこのことでしょう。森が豊かな証拠です。歩いていても、広葉樹の葉をエサにする虫たちが、知らぬ間に衣服に付いていたりします。
比婆御陵は薄暗い木立の中で、ピークという感じはしません。標高は烏帽子より15メートル高い1240メートルです。
縄で囲った神域の中に大きな岩が横たわっていました。神話伝説に由来する石だそうですが、私には神話は興味がありまぜん。

ここからブナ林の中を管理センターへ下ることにしました。
道を間違えて20分ほどロスしましたが、このブナ林は目を見張るものでした。ブナの純林です。そのブナもかなりの年月を経た大木ですから、圧倒されるような迫力です。これまで全国各地で見てきたブナ林の中でも印象に残るものでした。
シジュウカラやウグイスなど、野鳥の囀りもいっそう賑やかです。
しばらく下ると、今度はミズナラの純林に出会います。この樹林も見ごたえがありました。

予定外の山でしたが、見ごとな落葉樹林の美しさに触れることが出来、大いに満足した山歩きとなりました。
下山後、比婆温泉で汗を流して次の目的地へ向かいました。