2050

山行報告-恵庭岳=えにわだけ(1320m)
北海道(支笏湖畔) 2001.07.28 単独
コース 登山口(4.50)−−−4合目(5.20)−−−6合目(6.00)−−−7合見晴台(6.10)−−−恵庭岳(6.50-7.15)−−−n見晴台(7.45)−−−登山口(8.40)===洗腸の後、丸駒温泉で入浴、空沼岳登山口へ
2001夏・北海道の山旅(9)
中央の岩峰が恵庭岳山頂(見晴台から)
異形の山頂を持つ恵庭岳はとにかくよく目立つ山だ。一角獣が角を突き出したような山頂は、どこから見てもすぐ恵庭岳と知れる。  

前夜は支笏湖付近の登山口に泊った。  
標高差1000メートル、登りコースタイム3時間30分、けっこう汗を搾られそうだ。  
天気はまずまず。登山届に記入して出発する。
砂防ダムを二つ過ぎると山道へ入る。ひんやりとするような薄暗い樹林の中を登って行く。若者が私を追い越して行く。早いペースだ。  

展望もない単調な登りがつづく。  
次第に傾斜が急になってきて汗が滴り落ちるころ、ルートが登り用と下り用に分かれる。足場が悪くてずり落ちるような厳しい急登で、固定ロープを握って登って行く。再び上部でこのルートは合流する。  
樹林帯の急登をしばらく頑張ると一挙に展望が開けて見晴台へ出る。大きな岩場で目の前には生々しい爆裂火口から噴気があがり、硫黄臭が鼻をつく。爆裂火口から競りあがった岩山が恵庭岳だ。険しさを露骨に表していた。  
追い越して行った若者はここで休んでいた。彼は北海道へ来てからもう1ヶ月半になるという。自動車に寝泊まりしながら山を登っているということで「仕事に支障はないのですか」と尋ねると「何ヶ月かアルバイトで働いて、お金が溜まるとこうして各地の山へ出かけます」という返事だった。おおらかに生きていることに羨望と不安を感じたのは、この私が昔人間のためだろう。彼はけっこう満足そうにしていた。  

恵庭岳ピークは正面間近に見えているのに、見晴台からまだかなり歩きでがあった。  
火口縁を時計回りに行く。コースは火口の縁から外側やや下の樹林帯につけられている。勾配もけっこうきつい。  
見えたり隠れたりするピークの岩塔を目指して足を運び、岩塔の裏側に回りこむようにして基部に達する。基部からは岩登りとなる。手がかり足がかりはしっかりしているので不安はないが、ストックを残して岩場に取りついた。岩を登り終わればそこが恵庭岳の山頂。まさに岩頭のピークだった。  

山頂まで2時間、思ったよりもかなり早かった。  
大気は水蒸気が多くて、四囲の山々も雲にまといつかれている。この山でもまたまた展望に見放されてしまった。イワブクロがいくつか風に揺れて咲いていた。  
若者としばらく会話を交わしてから一足先に下山の途についた。  
この日は休日。次々と登山者が登ってくるのに出会った。みんな汗を流してきつい登りに喘いでいる。  
登山口の駐車場もマイカーで溢れていた。  

このあとオコタンぺ湖の先で野天の洗腸、支笏湖畔の丸駒温泉に入ってから空沼登山口へと向かった。