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山行報告-斑尾山=まだらおさん(1382m)

長野県 2001.08.19
コース 斑尾スキー場(7.45)−−−斑尾山(9.15)−−−大明神岳−−−斑尾山(10.15)−−−斑尾スキー場(11.10)
北信五岳、一等三角点
涼を求めて妻と二人、信州へキャンプ旅行にでかけた。

野尻湖畔にキャンプした日、湖の東に構えている斑尾山へ登った。
斑尾山は北信(北信濃の呼称)五岳の一つで、長野市方面から遠望するときの姿は実に優雅で、あたかも貴婦人の趣を感じる山である。

(北信五岳=妙高山・黒姫山・戸隠山・飯縄山・斑尾山)

野尻湖キャンプ場の管理人に、念のため登山口へのアプローチを教わってマイカーを向けた。
10年前に登った山である。おおよそのことは覚えている。アプローチを尋ねる必要はなかったが、状況が変わっているかもしれないと考えての確認のつもりだったが、これが失敗だった。
野尻湖側から登るつもりでいたのに、教えられたように自動車を走らせるとタングラムスキー場を通り、斑尾スキー場まで行ってしまった。野尻湖とはまるっきり反対側へ回ってしまったわけだ。
予定外だったが、斑尾スキー場から山頂を目ざすことにした。
ゲレンデ斜面の草原の中に一筋の登山道が上へと延びている。はじめはゆったりとした勾配が、徐々にきつくなってゆく。背後から夏の陽射しが照りつけて汗が流れる。背丈ほどもあるヨツバヒヨドリの赤い花が秋の始まりを告げている。

妻のペースで途中一本立てて、最後の厳しい急登を喘ぐとリフトの終点にたどりつく。眼下に広がる斑尾高原は、別荘やホテルなどの洒落た建物が点在して異国情緒を漂わせている。

リフト終点からは樹林へ入り、やっと夏の太陽から身を隠すことが出来た。
ブナなどの落葉樹林の中をひと登りすると「仮山頂」の標識があるピークに立つ。何だか本物のピークを一時ここに移したかのような表現だ。
少し下って坦々とした道をたどり、再び登ったピークが本物の斑尾山頂上。
山頂は完全に樹木に囲まれて眺望はゼロ、大きく破損された一等三角点が痛々しい。

見晴台へ行くつもりが方向を過ってまた山頂へ戻る。
そこへ地元の中年の夫婦が見晴台方面から登ってきた。野尻湖などがきれいに見えたという。気の良い夫婦から自家製というトウモロコシ、トマト、エダマメなどを食べきれないほど頂いてしまった。昔はこのような気のいい田舎の人はたくさんいたものだが、今はそれも陰を潜めてめったに見られなくなった。
ほのぼのとした気分で見晴台へ向かう。5分程だった。
見晴台には「大明神岳」と表示がある。
10年前に登ったときは、西も東もわからない視界30メートルという濃霧だったが、今日は眼下に藍色の野尻湖が俯瞰できる。その向うには黒姫山と妙高山が並んで聳え立つ。

展望を楽しんでから同じ道を引き返した。
下山後、湖畔のテントをたたみ、妙高高原池の平のかんぽの宿で入浴してから戸隠高原へ向かった。