山行報告2068
白屋岳=しらやだけ(1177m)
奈良県 | 2001.10.19 | 単独 | ||||
コース | 白屋橋東詰(6.30)−−−ロス30分−−−林道終点登山口(7.30)−−−作業小屋(7.45)−−−白屋岳(8.45-55)−−−作業小屋(9.40)−−−林道終点(9.50)−−−白屋橋東詰(10.05) | |||||
奈良県川上村の寂峰。 R169号から白屋橋を渡った東詰の空き地に駐車。 今朝は一気に秋が深まったような冷え込みだった。ぶるっとした寒さを感ながら早速スタート。白屋岳への道標標識らしいものがないかと見回したが、何一つ見当たらない。見当をつけて上の方に見える集落目ざして上がって行く。犬の散歩の初老の婦人に登山道を尋ねると、集落の外れにある石の階段を上がって行けばいいとのこと。教えられたとおり、車道が終って民家の途切れたところから山道へ入った。
少し下って行くと分岐している林道があった。どうもこれが登山道に通じているようだ。ここは感を頼りに林道を行くと、簡易水道浄化設備のところで白屋岳登山口の私製の小さな案内を見つけた。登山口と書いてあるが、実際には林道をさらに終点まで進むと、木製の頼りない梯子があって、ここが登山道の取付だった。 地元の人に登山道を尋ねても、得てしてよく知らないケースが多い。今回もおかげで30分ほどのロスとなってしまった。 しばらくは緩い勾配の山腹をたどると、山林作業用の小屋がある。ここで始めてきちんとした「白岩岳」の道標があり、山頂まで1時間20分と書かれていた。その余白に誰が書いたのか、マジックペンで「1時間20分は無理、2時間」と乱暴な字で書いてある。私の場合は1時間だった。標準的には1時間20分でいいだろう。その人には無理な時間だとしてもこのような書き加えは身勝手で、迷惑なことだ。 このあとも2、3ヶ所の道標があったが、1本道のコースで、あえて道標の必要もない。それより集落手前で林道へ分岐するあたりには一つ道標が欲しい。 小屋からコースは右に直角に折れて尾根を行くようになる。相変わらず杉の植林帯で、毎度のことながらこの薄暗さはどうも気に入らない。(登山者のための山ではないから、それは仕方ないことではあるが) ほどよい勾配の道を、見るものもなく、野鳥の囀りもなく、あるのは杉の単相林。ただ黙々と足を運んで、汗がしたたるころ伐採跡に出た。とたんに青く大きな空が頭上に広がる。カヤ草が茂り、朝露でズボンや靴が濡れる。 じぐざぐ道を登って行くと、今度は伐採現場となる。伐採木が斜面いっぱいに横たわり、登山道はその下になっている。どこを歩いていいのかわからない。うっかりすると迷ってしまう。帰りの目印をしっかり頭に入れながら、伐採木を乗り越えたり、迂回したりして何とか通過して、うまいこと登山道につなげることができた。 ときおり遠くに葛城山、金剛山などが見える。はるか眼下には吉野川が蛇行している。ススキが朝の光を受けて銀色にまぶしい。露を含んだアザミは朝の寒さも気にしないで、淡いピンクの花を咲かせていた。 再び植林帯に入って高度をあげて行く。 小さなピークに立ったが白岩岳ではなさそうだ。緩い勾配でさらに道が延びている。落葉樹も見えてきて何となく落ち着いた山の雰囲気になってきた。 2ヶ所ほど倒木でふさがれた道を迂回しながら登って行くと、間もなく白岩岳の山頂に着いた。 樹木に囲まれた小さな山頂だ。三角点標石は破損がひどく刻印が読めないが、二等三角点だそうだ。樹木の切れ間から遠望する山嶺は大峰山系だろうか。こころときめかすような展望もなく,しばし滞頂する気分にもなれずに、すぐに同じ道をたどって引き返した。 標高差は約750メートルの行程だった。 |