山行報告2072

観音峰山=かんのみねさん(1347m)

奈良 2001.11.23 単独
コース 洞川観音峰登山口(6.20)−−−観音平−−−観音峰山---観音平−−−みたらい渓谷散策−−−観音峰登山口(10.20)
大峰山系末端の山
弥山、八経ケ岳

奈良県天川村の観音峰山は、その昔南北朝時代の南朝にまつわる歴史の山だという。

雲ひとつない快晴の朝、放射冷却で冷え込みがきつかった。
トイレ、休憩舎のある駐車場に着いたのは夜明け前の6時、いくらか明るくなるのを待って出発した。
腕時計を忘れてきたために途中の時刻がわからないままに歩く。
コースタイムで登り2時間、時刻がわからなくても案ずるような山ではない。
遊歩道として整備された緩い登りをたどると、南北朝時代のこの地の歴史解説が、間隔を置いて設置されている。その都度立ち止まって目を通して行く。
時代に置き忘れられたような村と思っていたが、700年ほど前には時代がここで脈動していたことを知って興味深い。
立派な休憩舎を過ぎて石段を登ると、右が十一面観音のある岩屋、左が観音峰山への分岐となる。岩屋は帰りに立ち寄ることにして山頂へ向かう。

歩きはじめて30〜40分だろうか、杉植林を抜け出て一面枯れススキの原に出た。曙光にススキの穂がきらきらまぶしい。展望台になっていて、大峰山系の稲村ケ岳や八経ケ岳、それに金剛・葛城の山々が望める。
遊歩道なみの道はここまでだった。背丈以上のススキの細道を抜けて登りにかかると樹相は雑木林となる。既に葉を落として冬枯れの風情である。林床も登山道も散り積った落葉で赤茶色の絨毯を敷き詰めたようだ。一歩ごとにカサコソと軽やかな音がついてくる。落ち葉に隠れた道を外さないように気をつけて、ひとしきりの登りを終ると観音峰山の山頂に到着。時刻はわからないが、陽はまだ高くはない。
樹木に囲まれて展望はまったく得られない。三等三角点のほかには、私製の登頂記念プレートが10個以上木の枝や幹に取り付けられていた。このプレートをつけるという行為は、美観を損なうだけで何の意味もない。山のゴミになるだけだ。常々ぜひ止めてほしいと思っている。

滞頂するほどのこともなく、すぐに来た道を引き返して、展望のよかったススキの原の展望台で休憩することにした。陽が昇ると暖かくなって、ススキ越しの山々をのんびり眺めていると昼寝でもしたくなってくる。
一休みして十一面観音から登山口へと下って行くと、登って来るハイカーに次々と出会うようになった。
紅葉が見られるかもしれないと期待してみたらい渓谷を散策して見たが、すでに紅葉の時期は終わっていた。

駐車場に帰って自動車の時計を見ると4時間ちょうどのハイキングだった。