山行報告2085

大峰山系
行仙岳
(1227m)笠捨山(1352m)=ぎょうせんだけ・かさすてやま

奈良 2002.03.30 単独
コース 自宅(2.45)−−−下北山村経由・白谷トンネル(5.30)−−−行仙岳(6.25)−−−行仙小屋−−−笠捨山(7.45-50)−−−行仙岳小屋(8:40-50)−−−白谷トンネル(9.35)
大峰山系南部、奥駈道の一峰
笠捨山

近畿を代表する山脈「大峰山系」の南端付近に存在する2峰へ登った。
里は桜花爛漫の季節、山の雪も消えて木々の芽吹きも始ろうとしている春の好天に恵まれた。

未明というより、深夜3時前に自宅を出た。同じ県内にもかかわらず、マイカーのアクセスに2時間45分、帰りは3時間30分を要した。遠い山だった。
下北山村の里から山間へと駈けあがる林道まがいの道は、これでも国道である。
白谷トンネル入口の手前150メートルほどのところに登山口があった。
行仙岳への登りはNHKの電波中継施設巡視路で、鉄製の階段が連続している。かなりの急登だが階段登りの要領で小1時間で稜線に出て、右へ2、3分進むと電波中施設のある行仙岳である。眺望はあるが、平凡に連なる山々は熊野の山並みだろうか。見入るような展望でもなく、すぐに笠捨山へ向かう。

笠捨山へは稜線通しの道となる。上空は青空だが、風がやたらに強くて、雨衣をウインドブレーカー代わりにまとわないと寒い。
木の間越しに笠捨山が見え隠れするようになる。行仙岳から10数分で行仙小屋に着く。入口や窓はアルミサッシで綺麗な小屋だ。囲炉裏が切ってあり、煙で煤けた自在鍵が良い雰囲気を醸している。

行仙小屋を過ぎると、笠捨山が次第に近く見えてくる。すぐにでも行き着けそうな気がする。ところが見た目以上に遠かった。顕著なコブが三つ、それに小さなアップダウンも3、4回あって、急ぎ足には結構負担になる。
ブナ、それにヒメシャラなどの落葉樹林の稜線は明るくて気持ちいい。ウグイスの囀りが頻繁に耳に届く。樹木の新芽はふくらみ、野鳥のさえずりには活気が満ち溢れ、万物みな躍動の春を奏でているようだ。秋の山も好きだが、今のこの時期の山もまたいいものだ。

最後に大きな登りを一気に詰めると二等三角点笠捨山山頂であった。笠捨山は二つのピークを持ち、三角点のあるのは西峰で、東峰には電波反射盤がある。
東峰にも足を延ばし、あとは同じ道を戻った。

自宅への帰路は十津川村経由にしたが、こちらもマイカー3時間30分の道のりになってしまった。