山行報告2086
黒金山(2232m)〜乾徳山(2016m)
山梨県 | 2002.04.19 | 6人パーティ | ||||
コース | 大平開拓から先の林道・牛首への登山口(7.50)−−−休憩(8.25-30)−−−牛首(9.10-20)−−−黒金山(9.55-10.25)−−−笠盛山(11.00-11.05)−−−乾徳山(11.50-12.50)−−−大平開拓地(14.30) | |||||
ネットの友に誘われて奥秩父の山へ
乾徳山は多くのハイカー、登山者に親しまれているが、その奥に位置する黒金山は人影もかなりまばらとなる寂峰的存在の山と言えそうだ。 昨年春からネットの友Cさんから山梨の山へお誘いを受けていた。 当初予定していた鞍掛山は、林道崩壊のためにアプローチ困難、急遽黒金山に変更となった。 Cさんがお仲間に声をかけて、総勢6人のパーティとなった。 前夜ハワイから帰国したばかりのYさんは300名山完登の女性猛者、同じく300名山完登の初老60歳の男性、夫婦で日本100名山完登のOさんご夫妻、それと名山へのこだわりを見せずに、主として山梨の山をこまめに登り歩いているこの山行主催者のCさんは、いかにも折り目正しくてまぶしい教養婦人。 単独行オンリーの私、パーティ登山なんて100に一つもない。異例中の異例の登山はどうなるのか。不安と期待で三富村道の駅へ集合。 大平開拓地に車1台を残し、あとの1台で牛首への登山口へ向かう。 登山口は見落としようもない明瞭な道標が案内している。 この日は金曜日、5日前の日曜日は長野マラソンで骨の髄まで汗を搾り取られるような辛酸を味わうフルマラソンを走ったばかり。疲労も完全には癒えていない。 メンバーの年令に比し、ペースはけっこう速い。健脚にはかなりの自信を持っている私も、これでは余裕しゃくしゃくという歩きでは間にあわない。 芽吹きはこれからという落葉樹林の雰囲気が実に感じいい。途中で1本立てたものの、快調なペースで黒金山と西沢渓谷への分岐点「牛首」に到着。 牛首からは奥秩父らしい黒木原生林に変る。 林床には氷化した残雪も見られるようになる。アイゼンを必要とするほどでもないが、スリップに注意しながら、牛首から30分余で目的の黒金山頂上へ着いた。 メンバーのYさんは、これが山梨100名山の99座目だった。最後は手ごわい笹山をもって完登を果たすのだという。逞しいウーマンパワーである。 快晴予報が外れて、空には雲量が多い。国師ケ岳、金峰山それに甲武信岳方面が少し望めただけだった。 記念写真を撮ったり、しばらく休憩ののち乾徳山へ向かう。 黒木原生林の中を急下降して行く。残雪はたいしたことはない。 乾徳山へは、途中笠盛山(2088m)というピークを一つ越えて行く。この付近はいかにも奥秩父らしい、静寂そのもの原生林が広がり、ときには絨毯のような緑の苔が林床を覆っている。 乾徳山岩峰の基部からは、梯子を使って岩場を登りきれば、2回訪れたことのある懐かしい山頂だった。 われわれの山頂到着と入れ替わりに、下山しようとするおじさんがいた。見るともなしに顔を見ると 「あれ?Nさん・・・・どうしてここにいるの」 それは先日一緒に長野マラソンを走ったNさんその人。昨年親子で日本100名山完登を果たした人物で、ネットを通じてごく親しくしたもらっている。 いやあたまげた。示し合わせたわけでもないのに、同じ日、同じ時刻に山頂で出会うなんて、こんな偶然がまたとあろうか。まさに驚愕だった。 Nさんもわれわれの仲間に入って歓談、山頂はいっとき賑やかな時が流れた。 Cさんが背負ってきたごちそうを遠慮なくむしゃむしゃと頂き、パーティ登山の楽しさの一端を感じ取っていると、あっという間に1時間が過ぎてしまった。 徳和へ下るNさんと別れて、我々パーティはは大平開拓地へ下山。 乾徳山てっぺんからの岩場の懸垂下降も、女性のCさん、Yさんは見事なものだった。 今回のパーティ登山の楽しかった要因の一つは、メンバーのお人柄も当然だが、脚が揃っていたことも大きいような気がする。 面倒見の良いCさんのおかげで、パーティ登山の愉しみを一つ教わることが出来、これも思い出の登山の一つとなることだろう。 |