山行報告2096

鈴鹿山脈
釈迦ケ岳
(1092
m)

滋賀県・三重県 2002.09.20 単独
コース 松尾尾根登山口(5.40)−−−朝明(あさけ)ヒュッテ−−−ハト峰(6.50)−−−猫岳(7.40)−−−釈迦ケ岳(8.05-15)−−−大岩(9.00)−−−松尾尾根登山口(9.35)
≪朝明渓谷からハト峰を経由して松尾尾根を下る≫
コース中間のハト峰

奈良から長野へ転居して2ヶ月近く。所用で奈良へ出かけたおりに鈴鹿の山へ登ってきた。
奈良在住中、近畿地方で登りたい山はおおかた登頂済みとなったが、それでも幾つかは登り残したという思いはある。その中の一つが鈴鹿の釈迦ケ岳であった。天候とチャンスに恵まれて気持ち良い登山ができた。
それにしても釈迦ケ岳と名のつく山は全国に数多い。多くは釈迦を祀ったりしたのが由来というが、この山は釈迦の寝姿に似ているからだそうだ。

朝明(「あさけ」と読む)渓谷に入り、松尾尾根登山口の路傍へ車を止めて出発。下山はこの松尾尾根を下ってくる予定にしている。
山荘、別荘、ヒュッテなどが点々と見える朝明の谷を遡上して行く。舗装された良い道だ。
砂利道に変わって、根の平峠への道を分け、しばらく行くと林道コースと旧道コースの分岐標識がある。よくわからないが旧道コースを取ってハト峰へ向かう。背後には国見岳がせりあがってくる。狭い沢の大きな堰堤を2つほど越え、山腹を登りきれば明るいハト峰である。鳳凰三山地蔵岳のミニュチュア版のような雰囲気がある。鈴鹿の主峰御在所岳や国見岳が早朝の澄んだ大気の中に聳えているのがよく見通せる。紅葉には早いが、風は肌に冷たく、朝風になびくススキの穂に秋の気配が感じられる。

次のポイント猫岳へ向かう。
気持ちいい潅木の道は、すぐに背丈の笹薮の道なる。朝露を含んだ笹に、たちまち衣服が濡れてくる。雨衣を着用。笹を漕いで小さな上り下りを繰り返すと「猫岩」と表示された岩のピークに出る。ここが猫岳らしい。御在所岳方面の展望がいい。前方に見える釈迦ケ岳まではまだ距離がありそうに見えたが、30分ほどだった。
釈迦岳山頂は潅木に囲まれ、わずかに切り開かれた南面が見えるのみ、展望には恵まれない。三角点標石は等級の部分が書け落ちて何等かわからない。
山頂で一息入れてから下山の途についた。

潅木の幹や岩にしがみついて急下降して行くと、庵座谷や流れ谷の大きなガレとなる。足下の切れ落ちる縁を通過して潅木帯に入ると、後は長い松尾尾根の下りだけだ。潅木林らしい明るさがない。照葉樹も混じっているのかもしれない。途中一服するのに手ごろな大岩もそのまま通過、ところが持病の膝痛が出てきたためにペースダウン。左膝をかばいながら車を止めてある松尾尾根登山口へと向かった。