山行報告2098

霊仙寺山(1875m)

長野県 2002.09.26 単独
コース 霊仙寺跡駐車場(6.50)−−−五社権現奥の院跡(7.00)−−−山頂まで1時間の看板(7.40)−−−霊仙寺山(8.40-9.00)−−−山頂まで1時間の看板(9.45)−−−駐車場(10.30)
≪霊仙寺集落から登る。落葉樹林が印象的なコース・・・高低差は約900m≫
山頂からは目の前に高妻山の勇姿が

長野市内から北に眺める屋根型の山、それが飯縄山です。
この飯縄山ですが、西側のピークがいわゆる飯縄山で、東の端にポコンと飛び出したピークは霊仙寺山と言います。
一般的にはこの屋根型の山全体を飯縄山と呼んでいるようですが、今日霊仙寺山に登ってみて、これはそれぞれに異なった山として扱う値打ちがあることに気がつきました。

人造の霊仙寺湖付近の霊仙寺集落奥が登山口です。ほんの数戸ばかりの小さな山間の集落は、冬のしのぎの苦労が偲ばれるような佇まいです。
集落先の霊仙寺跡の駐車場に車を残して出発、苔むした参道を10分ほど行くと「五社権現奥の院」跡です。巨石の転がる空間で、桜の老木や、護摩を焚いたという岩などの史跡が残されています。
ここから登山道になります。ほとんど平坦に近い緩やかな道がつづきます。はじめのうちは杉などの植林もありあますが、それもわずかですぐに落葉樹の林に変り、紅葉には間があるミズナラやコナラの緑が明るく頭上を覆って、全身、胸の中まで洗い清められるような気がします。

樹林に白樺が混じるようになり、少し勾配がきつくなってくると、「山頂まで1時間」の表示が目に入ります。休まずに山頂を目指します。
登山道は相変わらず落葉樹の茂る明るい林が広がっています。樹相はブナも混じり、次第にシラカバが優勢となってきました。勾配は本格的な急登となり、一気に高度を稼げるようになってきました。
気がつくとシラカバの純林とも言えるほど、シラカバ一色です。朝の光を受けて、純白の肌が目に染みます。

やがて木々がまばらになり、背丈が低くなって来ると登山道も岩っぽく変ってきました。
オヤマリンドウやマツムシソウの花が顔をみせてくれます。1875メールと言う中級山岳ですが、関西周辺で登り歩いた山に比べると、高山の雰囲気が漂っています。ウメバチソウ、ツリガネニンジンのほかシラタマ、イワハゼなどの花もいくつか目につきました。
ヤマウルシ、ヤマハゼが早々と真っ赤に紅葉しています。

急登に汗を流して飯縄山からの縦走路に合流すると、すぐ先が霊仙寺山の山頂でした。
山頂の眺望は絶品です。南側だけは雲海に閉ざされていましたが、北の展望は素晴らしいの一語です。
目の前には高妻山。さらに頚城三山、斑尾山、戸隠連峰が並び、さらに白馬三山から五竜、鹿島槍ケ、爺ケ岳、針の木、槍、穂高と北アルプスの3000メートル峰が勢ぞろいして出迎えてくれました。
しばらくこの展望に酔いしれていると、飯縄山山頂からの登山者が到着、40分の所要だったということです。

自宅から登山口までマイカーで30分強、近くにこんなに素晴らしい山を発見したという喜びで山頂をあとにしました。
これからも季節おりおりに霊仙寺山へ出かけることになるでしょう。