追想の山々1350
摩周湖第一展望所(8.40)−−−684mポイント(9.35-9.45)−−−西別岳分岐(10.25-10.30)−−−摩周岳(11.10-11.30)−−−西別岳分岐(12.00-12.05)−−−第一展望所(13.40) | |||||
所要時間 5間00分 | 一等三角点 | ||||
好天を確かめて出かけた。 摩周湖第一展望所に着くと絶好の快晴。登山者用のための別の駐車場に車を止めて出発する。時刻は8時40分、どうやら本日の摩周岳登山者の多くは出発しているようだ。駐車場を出て緩い下りがしばらく続く。 左手には濃紺の摩周湖、その先を見るとカムイヌプリ=摩周岳がツンと尖った姿を見せている。摩周岳まではかなりの距離感がある。山頂まで2時間40分の行程だ。カムイヌプリとはアイヌ語で「神の山」の意。 登山者が多いのかコース整備が大変良好で、誰でも安心して歩ける。最初のピーク(683m)への登りとなる。樹林の中で風が通らず蒸し暑い。ピークに登りついたところで休憩にする。西別岳の山容がきれいだ。 683mピークから先のコースは高原そのもので、草原のなだらかな起伏がつづいている。先を行くハイカーの姿が点景となっていい眺めだ。西別岳もゆったりとした斜面を見せ、目に入る景色全体が穏やかでのびのびとしている。摩周湖の湖面もひときわ藍色が深い。 摩周岳がかなり近づいてきた。鋭いピークと岩肌がアルペン的な風貌を感じさせる。おおらかに蛇行するコースを、高原の風に吹かれながらさらに小さなピークを二つばかり越えると西別岳との分岐の三叉路となり道標が立っている。ここで2回目の小休止にする。ここまで1時間40分、だいたいコースタイム通りで来ている。 後は休憩なしで山頂を目指す。 分岐からは再び樹林帯に変わった。しばらくは緩い勾配がつづいていたが、いつしか次第に傾斜が強まってきて、妻たちの足取りが重い。勾配はさらに強まり、岩まじりの急登を潅木につかまって手足総動員で汗を流す。 やがて火口壁の上に出ると、反対側は湖面に向けて険しく切れ落ちている。火口の縁を避けるように東側斜面をがんばって登り切ると摩周岳の山頂だった。 眼下に深く抉り取られた火口、そして深々とした紺青の水をたたえた摩周湖、摩周岳から摩周湖へ落ち込む急峻な岩の斜面。わずか857メートルのピークとは思えない高度感がある。 阿寒、知床などの眺めが素晴らしいというが、霞がかかって遠望のきかないのが残念だった。岩のピークで昼食を摂りながら展望を楽しんだ。山頂周囲にはミヤマキンバイ、メアカンフスマ、イワギキョウ、エゾツツジ、エゾキリンソウなどの高山植物が見られた。 コースがなだらかな分、下山も登りに要した時間に近いほどの歩きでがあった。途中振り返ると「ずいぶん遠くまで歩いたんだなあ」そんな気がするほど摩周岳は遠ざかっていた。 霧に隠れることの多いという摩周湖だが、相変わらず美しく最後まで湖面を見せてくれていた。 摩周温泉近くの鐺別温泉(国民宿舎)で汗を流してから釧路へと帰った。 |